新規過活動膀胱薬が登場‐新薬5件の承認を了承
薬事・食品衛生審議会医薬品第一部会は8月30日、杏林製薬の過活動膀胱治療剤「ベオーバ錠50mg」(一般名:ビベグロン)など5件の製造販売承認を審議し、承認を了承したほか、2件の承認と一部変更承認について報告を受けた。
審議品目
▽ベオーバ錠50mg(杏林製薬):新有効成分のビベグロンを含有し、過活動膀胱における尿意切迫感、頻尿・切迫性尿失禁を効能・効果とする。類薬には、ベタニス錠などがある。
用法・用量は、1日1回食後に経口投与する。再審査期間は8年。海外承認はない。
▽ロラピタ静注2mg(ファイザー):有効成分のロラゼパムを含有し、てんかん重積状態の効能・効果での静注製剤として同社の抗不安薬「ワイパックス錠」の新投与経路を追加した。未承認薬等検討会議の開発要請品目で、再審査期間は6年。海外でてんかん重積状態の効能・効果で承認されているのは、米国、カナダ、ドイツなど7カ国。
▽エイベリス点眼液0.002%(参天製薬):新有効成分のオミデネパグイソプロピルを含有し、緑内障、高眼圧症を効能・効果とする。同剤は、選択的プロスタノイドEP2受容体作動薬であるオミデネパグのプロドラッグ体。
用法・用量は1回1滴1日1回点眼する。再審査期間は8年。海外承認はない。
▽メトアナ配合錠LD、同HD(三和化学研究所):有効成分のアナグリプチンとメトホルミン塩酸塩を配合した2型糖尿病を効能・効果とする新医療用配合剤。用法・用量は、1回1錠を1日2回朝夕に経口投与する。
未承認薬等検討会議の開発要請品目で、再審査期間は4年。海外では韓国で承認されている。
▽モビコール配合内用剤(EAファーマ):有効成分のマクロゴール4000、塩化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、塩化カリウムを配合した新医療用配合剤。慢性便秘症を効能・効果とする。
用法・用量は、2歳以上7歳未満の幼児には初回用量として1回1包を1日1回経口投与する。7歳以上12歳未満の小児には初回用量として1回2包を1日1回、12歳以上の小児には初回用量として1回2包を1日1回経口投与する。
未承認薬等検討会の開発要請品目で、再審査期間は6年。成人と12歳以上の小児については欧州など世界37カ国、2~11歳の小児については28カ国で承認されている。
報告品目
▽ラグノスNF経口ゼリー分包12g(三和化学研究所):有効成分の結晶ラクツロースを含有するゼリー状の下剤で、慢性便秘症の効能・効果を追加した。再審査期間はない。海外では、ラクツロース製剤は便秘の適応で60カ国以上で承認されている。
▽ドブトレックス注射液100mg、同キット点滴静注用200mg、同600mg(共和薬品)、ドブタミン点滴静注液100mg「ファイザー」、同200mgキット、同600mgキット(マイラン製薬):有効成分のドブタミン塩酸塩を含有するアドレナリン作動薬で、心エコー図検査における負荷の効能・効果を追加した。
未承認薬等検討会議の開発要請品目で、再審査期間はなし。海外では欧米など6カ国で承認されている。
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出典:薬事日報
薬+読 編集部からのコメント
活動膀胱による尿意切迫感や頻尿などを効能・効果とする、杏林製薬の過活動膀胱治療剤「ベオーバ錠50mg」(一般名:ビベグロン)ほか5件の新薬の製造販売承認が承認されました。
また、ラグノスNF経口ゼリー分包12g(三和化学研究所)には、慢性便秘症の効能・効果が追加されました。