タキソイド系抗癌剤を回収‐不十分な精製が原因
武田テバファーマは、タキソイド系抗癌剤「ドセタキセル点滴静注20mg/1mL・80mg/4mL『テバ』」の対象ロットについて、16日から自主回収(クラスII)を開始した。長期安定性試験の純度試験で、類縁物質の含有量が承認規格に適合しない製品が確認されたため。同社によると、類縁物質は既知物質であり、健康被害が発生する可能性は極めて低く、これまでに今回の件に関連した健康被害の報告はないとしている。
同剤は、2013年12月に販売を開始。自主回収の対象となっている2ロットについては、ドセタキセル点滴静注20mg/1mLが今年2月、同80mg/4mLが昨年4月から出荷され、市場に流通していた。同剤の製造に当たり、精製工程で溶剤に含まれるナトリウムイオンの除去が不十分であったため、純度試験に影響したと見られている。可能な限り早期に回収し、11月30日をメドに全てを回収する見込み。
今後は、再発防止に向け、精製工程管理の条件設定を見直す考えだ。
武田テバファーマは、16年に血液凝固阻止剤「ダルテパリンNa静注5000単位/5mL『タイヨー』」、17年にもニューキノロン系注射用抗菌剤「シプロフロキサシン点滴静注液200mg『タイヨー』・同300mg『タイヨー』」の対象ロットについて、自主回収(クラスII)を行っている。
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出典:薬事日報
薬+読 編集部からのコメント
武田テバファーマは、タキソイド系抗癌剤「ドセタキセル点滴静注20mg/1mL・80mg/4mL『テバ』」の自主回収を開始。回収の対象は2ロット。精製工程で溶剤に含まれるナトリウムイオンの除去が不十分だったことが原因とのこと。