薬剤師のためのお役立ちコラム 更新日:2018.12.25公開日:2018.12.18 薬剤師のためのお役立ちコラム

白衣の汚れに多い原因と汚れの落とし方

汚れやすい白衣のシミ取り法や洗濯方法をご紹介します

衛生面に気を配りつつも、白衣を着用しての作業が多い薬剤師の皆さんなら、白衣の襟元の皮脂汚れや袖口の黒ずみなどに困ったこと、ありますよね。また、ボールペンなどのインク汚れについても、早めにシミ抜きをしなければ手遅れとなり、白衣の清潔感も台無しです。今回はそんな白衣の汚れやシミの原因と、その対応策をご紹介します。

汚れてしまう白衣、その原因

真っ白な白衣は見る人に清潔な印象を与えます。常に白く、清潔に保つことでウイルスの感染防止に役立ち、患者さんの信頼感にもかかわるため、白衣が汚れてしまったときは素早く対応したいですね。白衣が汚れてしまう原因はさまざまですが、薬剤師の仕事内容から、その原因をいくつか探ってみましょう。

 

ボールペンのインク・印鑑の朱肉

 

白衣のポケットにボールペンを差したままにしていて、気がついたらインクが染み込んでしまったことはありませんか? 薬剤師は事務作業が多いので、ボールペンのインクや印鑑の朱肉の汚れは日常茶飯事。ポケットを使わない方も、袖口のインク汚れに悩む人は多いようです。

 

レジ

 

処方箋を受け取って薬を用意し、レジ打ちしてから患者さんに薬を渡すという薬剤師さんの場合。意外にもレジの汚れを見落としてしまっている方が多いようです。レジには、埃や手垢など目に見えない汚れが潜んでいます。気づかぬうちに白衣に移ってしまっていることも。

 

段ボール

 

薬剤師の業務で意外と多いのが力仕事。仕入れや仕分け作業など、段ボールを移動させたり箱からものを出したりする作業において、袖口などの汚れは避けられません。段ボールを運ぶときはなるべく白衣を脱ぎ、袖口をカバーするゴム手袋を使うなどするようにしましょう。

インク汚れの落とし方

いくら汚れを防いでも、一度汚れがついてしまったら落とすのは大変。すぐに洗濯できない場合は、職場での応急処置も必要です。まずはポケットのインク汚れの落とし方をご紹介します。

 

材料

 

消毒用エタノールあるいは除光液
無地の布2枚(印刷のないもの)

 

手順

  1. 1. 消毒用エタノールあるいは除光液を、白衣の目立たない部分に少しだけつけ、白衣を傷めたり、変色したりしないかを確認してください。
  2. 2. 汚れている部分を下向きにして、その下に布を1枚あてます。消毒用エタノールあるいは除光液を、汚れた部分の裏から数滴ずつかけます。もう一枚の布で上から白衣をたたき、インクを上下の布に溶かし出して落とします。
  3. 3. 2の作業を何度か繰り返し、インクが布に染み出してこなくなるまで行います。

※火気・換気に注意して行い、インク汚れが落ちたら洗濯機で洗いましょう。

 

襟元や袖口の皮脂汚れの落とし方

 

襟元や袖口の皮脂汚れには、メイク用の「クレンジングオイル」がおすすめです。皮脂汚れが落ちにくい原因は、その部分が脂でカバーされているためです。脂をクレンジングオイルで浮かせることによって、頑固な汚れも落とせます。汚れた部分にはクレンジングオイルを直接塗ってみましょう。かるく揉み洗いした後、お湯で流し、洗濯機で洗います。印鑑の朱肉も油性の汚れなので、同じ方法で綺麗に落ちます。クレンジングオイルのほか、油汚れに強い「食器用洗剤」も、皮脂や朱肉の汚れには適しています。

 

なお、汚れを落としたら、襟元と袖口に「ベビーパウダー」をはたいておくと、次に洗濯するときに汚れが落ちやすくなります。ベビーパウダーの優しい香りも楽しめて一石二鳥ですね。

 

事務作業や力仕事が多い薬剤師の場合、白衣が汚れてしまうのは仕方のないこと。汚さない心がけも大切ですが、汚れてしまった場合は上記の方法を試してみてください。白衣の汚れは心の汚れ。いつも綺麗な白衣を着用し、患者さんに信頼される薬剤師になりましょう。

文/村田直子(現役薬剤師ライター)

【参考URL】

インク汚れの落とし方