薬剤師の接遇マナー・テクニック 更新日:2023.03.23公開日:2015.05.20 薬剤師の接遇マナー・テクニック
困ったときに薬(やく)立つ、薬剤師の接遇・マナー
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看護師と上手にコミュニケーションを取るには
看護師と上手にコミュニケーションを取るには

仕事中の看護師へ声をかけるタイミングがよくわかりません。患者さんのために、一言でいいから伝えておきたいと思うようなことがあっても、いつも忙しそうで……。このままではいけないと思うのですが、上手にコミュニケーションを取るためのコツはありますか。

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まずは顔と名前を覚えてもらうところから

私自身も院内薬局で勤務した経験があるので、この状況は非常によくわかります。慣れない薬剤師にとってナースステーションは医局と並ぶ敷居の高さで、サッカーの試合で言うなら完全に“アウェー”の状態。どこにいても邪魔をしてしまうように感じられて、いたたまれない気持ちになりますよね。
対策ですが、これはもう慣れるしかありません。勇気を出して、何度も足を運んでみましょう。用事を見つけて積極的に病棟などに行き、笑顔で明るく挨拶して顔と名前を覚えてもらう。コミュニケーションの基本中の基本です。最初はけげんな顔をされるかもしれません。しかし、少なくとも「誰あれ? 薬剤師なの?」と印象づけられれば大成功。顔と名前を覚えてもらえれば、そのうち「これを薬局に持って行ってほしい」といったお使いを頼まれるようになるかもしれません。自然に挨拶を交わし、ちょっとした話もできるようになれば、患者さんについての話もできるようになるでしょう。
最初から込み入った話をしようとするから難しいのです。まずは看護師さんたちとの人間関係を構築するところから始めてみてください。

「こちらから歩み寄る」という謙虚な気持ちでチャレンジを!

声をかける際はタイミングも重要です。様子をみて、忙しそうなら早々に引き揚げ、時間をずらして出直します。そうやって何度も足を運んでいるうちに、申し送りなどの忙しい時間や比較的手が空いていそうな時間がわかってくるはずです。繰り返し席を外すのが難しければ、「何時くらいならお手すきでしょうか?」と聞いてみてもいいでしょう。
声をかける際は「今、少しだけお時間をいただいても大丈夫でしょうか?」と前置きをします。大切なのは、一度や二度、多少つっけんどんな対応をされてもめげないことです。勤務中の看護師さんたちは目が回るような忙しさです。たまたまトラブル対応に追われていたのかもしれませんし、気難しい患者さんの対応に気を取られていたのかもしれません。「笑顔で歩み寄ってくれるもの」と期待するのではなく、こちらが心を開いて歩み寄るのです。そんな勇気は出せませんか? でも、質問文にもある通り、「患者さんのためになることだから!」と自分を奮い立たせてほしいと思います。
私の知り合いの薬剤師は、用事を見つけては積極的に自分から各部署を訪れます。電話では相手の状況がわからないため、直接会って話をすることを大切にしているそうです。彼の場合は持って生まれた性格もあるでしょう。しかし、医師や看護師など異なる職種のスタッフとも気軽に話せる薬剤師が増えることで、病院内における薬剤師の存在意義やチーム医療への関わり方も違ってくるのではないかと感じています。

「すべては患者さんのため!」。挨拶からはじめて、誰とでも気軽に会話ができる関係性を築いていきましょう。
「すべては患者さんのため!」。挨拶からはじめて、誰とでも気軽に会話ができる関係性を築いていきましょう。

村尾 孝子
村尾 孝子(むらお たかこ)
薬剤師、医療接遇コミュニケーションコンサルタント。
株式会社スマイル・ガーデン代表取締役。
薬剤師として総合病院薬剤部、漢方調剤薬局、調剤薬局で20年以上にわたり調剤、患者応対を経験。管理薬剤師として社員の人材育成に注力する。
現在は医療現場経験を活かし、医療接遇コミュニケーションコンサルタントとして活躍中。
株式会社スマイル・ガーデン : http://smile-garden.jp/
ブログ「いつもワクワク Always Smiling!」: http://smilegrdn.exblog.jp/
薬剤師さんからの質問大募集!村尾孝子先生が、あなたの質問にお答えします
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