第42回 林真一郎 先生
地域住民にとって最も身近な医療従事者である薬剤師には、セルフメディケーションを推し進め、地域の人たちの疾患予防・健康増進の手助けをすることが求められています。
今回は患者さんや地域住民の健康維持・疾患予防に役立つ植物療法の普及に尽力している林真一郎先生に、植物療法についてうかがいました。全5回のシリーズです。
原稿/高垣育(薬剤師・ライター)
植物療法とは植物がもつ力を用いて、私たちが本来身体に備えている自然治癒力に働きかける伝統的な療法です。心身のバランスを整え、普段の生活や健康に役立てることができます。
一言で「植物療法」と言っても、身体へのアプローチ方法はハーブ、アロマセラピー、フラワーレメディなどさまざま。その人の悩みや生活に適切な方法を選び、オーダーメイドの植物療法を提案することが可能です。植物療法の優れたポイントは、その方のライフスタイルに合わせたセルフケアを勧められる点だといえるでしょう。
それでは、植物療法にはどのようなものがあるのか具体的にご説明しましょう。
1)アロマセラピー
アロマセラピーの起源は20世紀初めにさかのぼります。植物の花、葉、果皮などから抽出したエッセンシャルオイル(精油)が持つ芳香と多様な機能を利用し、身体の不調を改善する方法です。
エッセンシャルオイルは「ディフューザー」といわれる器具に垂らして香りを楽しむ方法のほか、入浴、スキンケア、掃除や洗濯での使用など幅広い活用方法があります。
アロマセラピーは正しく実践すれば危険性の低い植物療法ですが、エッセンシャルオイルを肌に直接使用するトリートメントやスキンケアの場合には少し注意が必要です。もし赤み、腫れ、かゆみ、刺激感を感じた場合にはすぐに使用を中止して洗い流し、皮膚科などを受診しましょう。
またベルガモットなど柑橘系のエッセンシャルオイルは、精油に含まれるフロクマリン類という成分が紫外線に反応することがあるので取り扱いに注意が必要です。皮膚に塗布した状態で紫外線に当たると、肌が日焼けのように赤くなったり、ひどい場合には水疱や湿疹が出るといった皮膚炎を引き起こす可能性があります。
2)ハーブ
ハーブの歴史は古く、紀元前から民間療法として使用されていた記録が残っています。ハーブの医学的な研究は1世紀、ギリシャの医師ディオスコリデスから始まったとされています。
ハーブにはさまざまな活用方法がありますが、最も取り入れやすい方法の一つはハーブティーです。ハーブティーには生の植物を使ったフレッシュのものではなく、乾燥させたドライのものを用います。
フレッシュは香りがよく、たとえば自宅で栽培したハーブを収穫して活用するといった喜びや楽しさを感じられます。しかしその一方、植物が生長する限られた時期にしか手に入らず、大量に必要だという問題があります。その点、ドライのハーブティーは季節に関係なく、症状や悩みに合わせていつでも手に入れることができます。植物療法では必ずドライハーブを用いますが、ドライハーブで淹れたハーブティーにフレッシュハーブティーの葉を1枚浮かべるというのは良いアイデアです。
ハーブは植物なので身体にやさしく安全だと思われることが多いのですが、なかには医薬品と相互作用を起こすもの、禁忌をもつものもあります。取り扱いには注意が必要です。
植物療法はアプローチの方法ごとに、香りを楽しんだり飲食したりと毎日の生活に取り入れるための手段がいくつかあります。患者さんやお客さんに続けてもらうには、その方の生活になじみやすく、習慣化できるような方法を提案していくことが大切です。
植物療法とは植物がもつ力を用いて、私たちが本来身体に備えている自然治癒力に働きかける伝統的な療法です。心身のバランスを整え、普段の生活や健康に役立てることができます。
一言で「植物療法」と言っても、身体へのアプローチ方法はハーブ、アロマセラピー、フラワーレメディなどさまざま。その人の悩みや生活に適切な方法を選び、オーダーメイドの植物療法を提案することが可能です。植物療法の優れたポイントは、その方のライフスタイルに合わせたセルフケアを勧められる点だといえるでしょう。
それでは、植物療法にはどのようなものがあるのか具体的にご説明しましょう。
1)アロマセラピー
アロマセラピーの起源は20世紀初めにさかのぼります。植物の花、葉、果皮などから抽出したエッセンシャルオイル(精油)が持つ芳香と多様な機能を利用し、身体の不調を改善する方法です。
エッセンシャルオイルは「ディフューザー」といわれる器具に垂らして香りを楽しむ方法のほか、入浴、スキンケア、掃除や洗濯での使用など幅広い活用方法があります。
アロマセラピーは正しく実践すれば危険性の低い植物療法ですが、エッセンシャルオイルを肌に直接使用するトリートメントやスキンケアの場合には少し注意が必要です。もし赤み、腫れ、かゆみ、刺激感を感じた場合にはすぐに使用を中止して洗い流し、皮膚科などを受診しましょう。
またベルガモットなど柑橘系のエッセンシャルオイルは、精油に含まれるフロクマリン類という成分が紫外線に反応することがあるので取り扱いに注意が必要です。皮膚に塗布した状態で紫外線に当たると、肌が日焼けのように赤くなったり、ひどい場合には水疱や湿疹が出るといった皮膚炎を引き起こす可能性があります。
2)ハーブ
ハーブの歴史は古く、紀元前から民間療法として使用されていた記録が残っています。ハーブの医学的な研究は1世紀、ギリシャの医師ディオスコリデスから始まったとされています。
ハーブにはさまざまな活用方法がありますが、最も取り入れやすい方法の一つはハーブティーです。ハーブティーには生の植物を使ったフレッシュのものではなく、乾燥させたドライのものを用います。
フレッシュは香りがよく、たとえば自宅で栽培したハーブを収穫して活用するといった喜びや楽しさを感じられます。しかしその一方、植物が生長する限られた時期にしか手に入らず、大量に必要だという問題があります。その点、ドライのハーブティーは季節に関係なく、症状や悩みに合わせていつでも手に入れることができます。植物療法では必ずドライハーブを用いますが、ドライハーブで淹れたハーブティーにフレッシュハーブティーの葉を1枚浮かべるというのは良いアイデアです。
ハーブは植物なので身体にやさしく安全だと思われることが多いのですが、なかには医薬品と相互作用を起こすもの、禁忌をもつものもあります。取り扱いには注意が必要です。
植物療法はアプローチの方法ごとに、香りを楽しんだり飲食したりと毎日の生活に取り入れるための手段がいくつかあります。患者さんやお客さんに続けてもらうには、その方の生活になじみやすく、習慣化できるような方法を提案していくことが大切です。
東邦大学薬学部薬学科卒業。1985年グリーンフラスコ株式会社設立。医師・鍼灸マッサージ師・助産師・薬剤師などとネットワークを作り、情報交換を行いながらホリスティック医学としてのアロマテラピーやハーブ療法の普及に取り組んでいる。