第38回 赤瀬朋秀 先生
現在、調剤薬局の店舗数はコンビニエンスストアをしのぐといわれています。処方箋獲得競争の激化、2014年度診療報酬の改定での調剤報酬引き下げなど、これまでと同じように業務を行っているだけでは経営を安定化させることが難しくなってきました。
年々、調剤薬局を取り巻く環境の厳しさが増していくなかで、生き残る薬局となるにはどうすればよいのでしょうか。
今回は薬剤師でありながらMBAを取得し、数々の薬局や病院の経営立て直しやコンサルテーションを実践してきた赤瀬朋秀先生にお話をうかがいました。全5回のシリーズです。
原稿/高垣育(薬剤師・ライター)
少し古いデータになりますが、わが国には「長寿企業」といわれる創業以来200年以上事業を継続している企業が3937社(2012年1月時点)あります(日本経済新聞電子版2012年6月10日)。実は、日本は世界一長寿企業が多い国なのです。
近代日本の歴史の中で200年の間には大きな災害や戦争など、さまざまな社会的な変化があったのにも関わらず、これらの企業はなぜ事業を継続することができたのでしょうか。
このような長寿企業に共通するのはどういった点でしょうか。実は、長寿企業に共通しているポイントが3つあります。
一つ目は、創業当時の精神を堅持していること。
二つ目は、その時代に合わせたイノベーションを実践していること。
三つ目は、従業員、顧客、社会を大切にする経営理念を持っていること。
企業はしっかりとした経営理念がないと次第にポジショニングが稀薄になり、事業があらぬ方向に進むこともしばしばです。そして、そのまま事業活動を継続すると、イノベーションを起こすような土壌や人材育成をする環境の成長が鈍化します。現状に満足してしまい、飛躍する機会を逃してしまうのです。
それでは、自分の薬局にあてはめて考えてみましょう。
- ご自身の薬局に経営理念やビジョン、基本方針はありますか?
- 従業員はあなたの薬局の経営理念を理解し共有できていますか?
- ある程度の処方箋を応需できることに満足して受け身になっていないでしょうか?
- 従業員が辞めてしまう理由を考えず、「仕方がない」とあきらめてしまっていませんか?
もしも三つのポイントのなかに欠けている項目があったら、それを補うための一歩を踏み出してみましょう。今よりも素晴らしい薬局へと成長していくための手がかりになるはずです。
少し古いデータになりますが、わが国には「長寿企業」といわれる創業以来200年以上事業を継続している企業が3937社(2012年1月時点)あります(日本経済新聞電子版2012年6月10日)。実は、日本は世界一長寿企業が多い国なのです。
近代日本の歴史の中で200年の間には大きな災害や戦争など、さまざまな社会的な変化があったのにも関わらず、これらの企業はなぜ事業を継続することができたのでしょうか。
このような長寿企業に共通するのはどういった点でしょうか。実は、長寿企業に共通しているポイントが3つあります。
一つ目は、創業当時の精神を堅持していること。
二つ目は、その時代に合わせたイノベーションを実践していること。
三つ目は、従業員、顧客、社会を大切にする経営理念を持っていること。
企業はしっかりとした経営理念がないと次第にポジショニングが稀薄になり、事業があらぬ方向に進むこともしばしばです。そして、そのまま事業活動を継続すると、イノベーションを起こすような土壌や人材育成をする環境の成長が鈍化します。現状に満足してしまい、飛躍する機会を逃してしまうのです。
それでは、自分の薬局にあてはめて考えてみましょう。
- ご自身の薬局に経営理念やビジョン、基本方針はありますか?
- 従業員はあなたの薬局の経営理念を理解し共有できていますか?
- ある程度の処方箋を応需できることに満足して受け身になっていないでしょうか?
- 従業員が辞めてしまう理由を考えず、「仕方がない」とあきらめてしまっていませんか?
もしも三つのポイントのなかに欠けている項目があったら、それを補うための一歩を踏み出してみましょう。今よりも素晴らしい薬局へと成長していくための手がかりになるはずです。
1989年に日本大学理工学部薬学科卒業後、慶應義塾大学病院薬剤部を経て北里大学病院薬剤部に入局。その後、経営学大学院に進学し経営学を学ぶ。MBA取得後9年間にわたって2つの病院において薬剤部門長を務め、2012年4月より現職。