医療に欠かせない職種でありながら、どこか影が薄いと言われてしまうこともある、薬剤師という哀しき存在……。「あるある話」を通して、もっと知ってください。私たち薬剤師のこと!
職場以外の薬局で漢方薬をもらうとき【薬剤師のあるあるシーン #1】
他の薬剤師さんから知識を吸収する絶好のチャンス!
薬学部の授業では漢方薬についてあまり学ばないので、薬剤師でも詳しい人は少ないようです。だから私は、チャンスがあったら詳しい人にいろいろ聞いて、知識を吸収しようとしています。いくら勉強しても「この患者さんに、この漢方薬は合っている?」といった疑問に対する自分なりの答えに自信が持てず、どうしても他の薬剤師さんはどう思うかを聞いてみたくなるのです。
思い返せば、新人の頃の私は添付文書をきちんと読めていませんでした。ひょっとすると、こうした薬剤師さんは意外に多いのではないでしょうか。壁打ちみたいな小さな自己学習(分かっている人への質問)を続けることでしか、それを乗り越えることはできませんでした。薬剤師になった以上、毎日が勉強です。
ただ、いくら患者の立場で質問しているとはいえ、度を過ぎては仕事中の薬剤師さんの邪魔になるだろうし、「何でこんなにたくさん聞いてくるのだろう?」とけげんに思われる可能性もあるので、適度なところで退散することも忘れないようにしていました。
ずるいかもしれませんが、質問する中で耳寄りな情報(漢方薬勉強会の情報など)が聞けそうになったら、「実は私も薬剤師なんですが、ぜひ勉強させてもらえませんか?」と素性を明かそうかとも思ってきました。今に至るまで、そうした機会は一度もなかったのですが、いつか実現するといいなあ。
東北大学薬学部卒業後、ドラッグストアや精神科病院、一般病院に勤務。現在はライターとして医療系編集プロダクション・ナレッジリングのメンバー。専門知識を一般の方に分かりやすく伝える、薬剤師をはじめ働く人を支えることを念頭に、医療関連のコラムや解説記事、取材記事の制作に携わっている。
ウェブサイト:https://www.knowledge-ring.jp/