「オプジーボ」50%以上引下げを‐塩崎厚労相、期中改定を明言
政府の経済財政諮問会議は14日、2017年度予算編成に向けた歳出改革の議論を開始した。民間議員は、医療費増の主な要因に薬剤費を指摘。特に抗癌剤「オプジーボ」の大胆な薬価引き下げを提言したほか、「50%以上の引き下げが必要」との意見も出た。これに対し、塩崎恭久厚生労働相は「オプジーボについては薬価を期中に見直し、さらに18年度に向けて抜本的見直しを考えていく」と明言した。
民間議員は、20年度の財政健全化目標を実現するため、来年度の社会保障関係費について、3年間で1兆5000億円程度に伸びを抑える基調を継続するよう自然増6400億円を圧縮すべきと強調。医療費増の主な要因である薬剤費の抑制に向け、高額薬に偏りがちな生活習慣病治療薬の処方適正化、費用対効果を踏まえた薬価設定を進めるべきとした。
さらに、高額薬剤として緊急的な薬価引き下げ議論が進められている抗癌剤「オプジーボ」に言及。「50%以上の薬価引き下げが必要」「薬価の大胆な引き下げ、効能追加などに伴う期中の再算定ルールの明確化を実行すべき」「英国で約15万円、日本では73万円という薬価で販売されているが、ポイントは日本の薬価設定に機動性がないことではないか」「薬価を大胆に引き下げるべき」など薬価引き下げを求める意見が相次いだ。
これに対し、塩崎厚労相は「オプジーボについては国民負担軽減の観点から、緊急的な薬価引き下げを実施すると共に、18年度に向けて薬価制度の抜本的な見直しを考えていく」と対応を明言した。
これらの議論を踏まえ、安倍晋三首相は、高額薬価の引き下げについて、今後、議論を深めて対応策を具体化するよう塩崎厚労相に指示した。
出典:薬事日報
薬+読 編集部からのコメント
2016年10月14日(金)、塩崎厚生労働相は経済財政諮問会議で「オプジーボについては緊急的な薬価引き下げを実施すると共に、薬価制度の抜本的な見直しを考えていく」との対応を明言しました。具体的な引き下げ率はこれからの検討となりますが、安倍首相からも具体的な対応策を求められているということです。