薬剤師会

【薬局ヒヤリ・ハット上半期】増える疑義照会で事故防止‐薬剤師が阻止、初の3割突破

薬+読 編集部からのコメント

薬局のヒヤリ・ハット事例(重大な過誤に至る可能性があった未遂のケース)で、薬剤師が疑義紹介をすることによって水際で防いだケースが3割を超えました。
調剤・疑義紹介関連事例で多かった医薬品は「カロナール錠200」が最も多く、次いで「セレコックス錠100mg」、「ロキソニン錠60mg」でした。

約半数は薬剤変更や削除に

 

日本医療機能評価機構は26日、2017年1~6月までに薬局で発生・発見したヒヤリ・ハット事例をまとめた集計報告を公表した。報告件数は2627件で、特に疑義照会関連の割合が昨年7~12月の下半期からさらに増加し、33.7%と初めて3割を突破。薬局薬剤師が処方の誤りに気づき、疑義照会することにより、水際で事故を防いでいる事例が増加している傾向がうかがえ、約半数の事例で薬剤変更や薬剤削除につながっていることが明らかになった。


今年の上半期に報告されたヒヤリ・ハット事例は、調剤関連が1728件(65.8%)と減少傾向が見られる中、医療機関で発生した処方の誤りを薬局で発見したなどの疑義照会関連が886件(33.7%)と増加し、初めて3割を突破した。薬局薬剤師が疑義照会して水際で事故を防いでいる事例が年々増えており、今年の上半期は昨年の下半期に比べて約4%増加。ヒヤリ・ハット事例のうち、疑義照会関連が初めて3割を突破するなど、薬剤師によるエラーの水際防止例が増え続けている傾向が鮮明になった。

 

疑義があると判断した理由については、「処方箋と薬局で管理している情報で判断」が463件(52.3%)と最も多く、仮に変更前の処方の通りに服用した場合の影響については、患者に健康被害があったと推測される事例が591件(66.7%)に上った。

 

疑義照会の結果、薬剤変更になった事例が272件(30.7%)、薬剤削除になった事例が227件(25.6%)と約半数の事例で処方された医薬品が変更になったり、削除に至っている。分量変更になった事例は214件(24.2%)、用法変更になった事例が89件(10.0%)、用量変更になった事例が40件(4.5%)あった。

 

調剤関連の内訳は、「数量間違い」が491件と最も多く、次いで「薬剤取り違え」が387件、「規格・剤形間違い」と続いた。

 

具体的に、調剤関連、疑義照会関連のヒヤリ・ハット事例で報告された医療用医薬品の販売名を見ると、「カロナール錠200」が29回と最も多く、次いで「セレコックス錠100mg」が27回、「ロキソニン錠60mg」が25回、「PL配合顆粒」が22回、「ネキシウムカプセル20mg」が17回、「クラリス錠200」が16回、「セフカペンピボキシル塩酸塩錠100mg『サワイ』」が15回などとなった。

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出典:薬事日報

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