【17年診療行為別統計】薬局調剤行為の点数2%増‐院外処方率は74.8%に
厚生労働省は21日、医療給付の受給者に関する調剤行為の内容などをまとめた2017年「社会医療診療行為別統計」の結果を公表した。薬局調剤では、1件当たり点数、受付1回当たり点数共に前年より総数が増加。調剤行為別でも、薬剤料、調剤技術料、薬学管理料が前年より増えた。医科の入院外における院外処方率は74.8%で、前年に比べて0.9ポイント上昇した。厚労省は「診療報酬改定の影響が一段落したことと社会保障費の自然増が要因ではないか」と分析している。
調査は、昨年6月審査分として審査決定された医療保険制度の診療報酬明細書と調剤報酬明細書のうち、レセプト情報・特定健診等情報データベース(NDB)に蓄積されている全数集計を対象としたもの。
薬局における調剤行為の1件当たりの点数総数は1109.4点で、前年に比べて22.5点、2.1%増加。受付1回当たりの点数も887.9点で、11.2点、1.3%増加した。
調剤行為別に見ると、薬剤料の1件当たり件数が826.5点で、薬価改定などによる影響で減少した前年と比べて12.4点、1.5%増加。調剤技術料も9.5点、4.4%の増加に転じた。対人業務の評価が充実された薬学管理料も1.0%と伸びた。
医科の入院外における院外処方率は74.8%で、前年に比べて0.9ポイント上昇した。内訳は病院が0.7ポイント増の78.2%、診療所が1ポイント増の73.8%となった。
医科点数と薬局調剤を合算して求めた薬剤料の割合を見ると、入院は9.2%で前年より0.1ポイント増加、入院外は40.9%で0.2ポイント増加した。入院と入院外を合わせた総数の薬剤料割合は前年より0.4ポイント増加して36.4%だった。
一方、後発品の使用状況は、薬剤種類数に占める後発品の種類数割合は総数で64.1%と前年比で3.7ポイント増加した。内訳を見ると、入院は5ポイント増の62.2%、院内処方は3.3ポイント増の57.3%、院外処方は3.8ポイント増の66.2%で、いずれも前年より増えた。
さらに、薬剤の薬効分類別の点数について構成割合を見たところ、入院では抗生物質製剤が22.5%で最も多く、次いで血液・体液用薬17.3%、中枢神経用薬14.8%の順となった。院内処方と院外処方では、共に循環器官用薬、消化器官用薬、中枢神経系用薬の順に多かった。
出典:薬事日報
薬+読 編集部からのコメント
2017年「社会医療診療行為別統計」の結果が発表されました。去年6月に審査決定された医療給付の受給者に関する調剤内容などをまとめたものです。
薬局における調剤行為の1件当たりの点数総数は1109.4点と前年比2.1%(22.5点)アップ、受付1回当たりの点数も887.9点で、1.3%(11.2点)増加しました。
薬効の種類別では、入院患者さんでは抗生物質製剤が22.5%で一番多く使われ、院内・院外処方では共に循環器官用薬の使用率が最多でした。