かかりつけ薬剤師・薬局の役割を明確化、全国へ周知
日本薬剤師会は16日付で、地域の住民や患者から信頼される「かかりつけ薬剤師」「かかりつけ薬局」の役割をまとめ、各都道府県薬剤師会長に会員への周知を促した。医薬分業の意義が国民に十分に伝わっていない状況を踏まえ、かかりつけ薬剤師・薬局の役割を整理し、明確に示すことにしたもの。
日薬は、医薬分業を「薬物療法における安全性・有効性を確保するためのシステム」と位置づけた上で、地域包括ケアシステムの中で、患者の安全確保と医療の質向上を図るために、かかりつけ医と連携を中心とする多職種と連携し、かかりつけ薬剤師はその責務を果たしていくことが必要とした。
その上で、かかりつけ薬剤師を「患者が使用する医薬品について、一元的かつ継続的に薬学管理指導を担い、医薬品、薬物治療、健康等に関する多様な相談に対応できる資質を有すると共に、地域に密着し、地域住民から信頼される薬剤師」と定義。地域に必要な医薬品等の供給体制を確保し、その施設に従事するかかりつけ薬剤師が、患者の使用する医薬品の一元的、継続的な薬学管理指導を行っている薬局を「かかりつけ薬局」とした。
かかりつけ薬剤師には、地域住民から医薬品等に関する相談を親身になって受け、そのニーズを把握できることや、地域の社会活動等に積極的に参加し、地域包括ケアシステムの一員として活動できること、医薬品の一元的、継続的な薬学管理指導を行い、処方医に薬学的知見に基づく疑義照会を行うなど、かかりつけ医と連携して患者に安全で安心な薬物療法を提供できることなど、6項目の資質を備えていることを求めた。
同日付で各都道府県薬剤師会に通知し、さらに国民への理解を図るため、今年度の「薬と健康の週間」における全国統一事業として、かかりつけ薬局をPRするチラシ、ポスターを10月上旬から会員に配布することとしている。
出典:薬事日報
薬+読 編集部からのコメント
日本薬剤師会が「かかりつけ薬剤師」「かかりつけ薬局」の役割をまとめ、医薬分業の意義を国民に明確に示すべく周知をうながしました。2015年10月上旬からは、PR用のチラシ、ポスターが全国の薬剤師会会員へ配布されるとのことです。