創薬・臨床試験

エーザイと戦略的提携‐来年4月にGE薬子会社を傘下に

薬+読 編集部からのコメント

製薬業界の業務提携が加速しています。
エーザイと日医工はジェネリック医薬品(GE薬)に関する戦略的提携を行うと発表しました。
日医工が子会社の株の20%を約171億円で購入予定です。
日医工がエーザイのインド工場の原薬でGE薬を製造したり、エルメッドエーザイと日医工で共同販促を行うなどの提携が行われる見込みです。

エーザイと日医工は28日、ジェネリック医薬品(GE薬)に関する戦略的提携を行うと発表した。日医工は4月2日にエーザイGE薬子会社「エルメッドエーザイ」の発行済み株式20%を譲り受けて持ち分法適用会社とし、来年4月に完全子会社にする予定。全株式取得時に支払う費用は約171億円。エーザイが持つインドのバイザック工場で生産した原薬の供給を受けGE薬を製造するほか、今年10月以降には日医工が保有する製剤、エルメッドエーザイが保有する製剤で共同販促も行う。エーザイは新薬への選択と集中を図り、国内最大手GE薬メーカーの日医工はエーザイの事業基盤を活用し、GE薬の世界展開を推進する。


両社が締結した株式譲渡契約では、日医工が戦略提携開始時にエルメッドエーザイの発行済み株式の20%を取得。戦略提携の一定の進捗が達成されることを条件に、10月に13.4%、来年4月1日に残りの全株式と段階的に取得し、取引が全て実行された時点で、エルメッドエーザイは日医工の完全子会社となる見込み。

 

エルメッドエーザイの2017年3月期売上は280億円となっている。日医工は、エルメッドエーザイを手中にすることで規模を拡大し、国内シェア首位の座を堅固にする。世界トップ10ジェネリックメーカーを目指し、海外でGE薬事業を展開しているが、エーザイのバイザック工場から価格や品質、安定供給に対応した原薬を調達できる体制を整備する。エルメッドエーザイが持つ付加価値型製剤技術を利用し、製剤改良にも取り組む。

 

両社は、地域包括ケア対応でも連携する。エーザイは、各地域で認知症や肝臓病など疾患特化型のニーズへの問題解決を目指したプラットフォーム「領域エコシステム」を構築しているが、日医工がパートナーの一員として参画する。エーザイの医療ソリューションプラットフォームは、臨床試験や実臨床のリアルワールドデータをもとに、医薬品や医療サービスを提供し、患者に対する治療成果や医療経済性を向上させ、地域のステークホルダーに対するソリューション提案に結びつけるもの。日医工は、領域エコシステムを利用し、地域包括ケア市場を開拓したい考え。

 

今後条件を協議の上、日医工が保有する製剤はエーザイ、エルメッドエーザイが保有する製剤は日医工が、10月以降にそれぞれ共同販促を実施する予定だ。

 

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出典:薬事日報

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