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トラマール副作用に呼吸抑制‐添付文書改訂を指示

薬+読 編集部からのコメント

厚生労働省が日本新薬の解熱鎮痛消炎剤「トラマール」(一般名:トラマドール塩酸塩)など8件の薬に対し、添付文書の改訂を指示しました。「重大な副作用」や「重要な基本的注意」などの項が追記されるとのことです。

厚生労働省は7日、日本新薬の解熱鎮痛消炎剤「トラマール」(一般名:トラマドール塩酸塩)など8件に対して、添付文書の使用上の注意を改訂するよう製薬企業に指示した。

 

トラマールについては、添付文書の「重大な副作用」の項に「呼吸抑制」を追記。異常が認められた場合は投与を中止して、適切な処置を行うよう注意喚起した。

 

医薬品医療機器総合機構(PMDA)の報告によると、徐放性のトラマール製剤の承認時に、添付文書の重大な副作用の項に呼吸抑制が記載されたこと、直近3年間で呼吸抑制に関連した症例が4例あり、このうち1例が因果関係を否定できないケースだったことを受け、改訂が適切であると判断した。

 

C型肝炎の2剤併用経口治療薬であるブリストル・マイヤーズの「スンベプラ」(一般名:アスナプレビル)と「ダクルインザ」(一般名:ダクラタスビル塩酸塩)については、添付文書の「重要な基本的注意」の項に、肝予備能の低下が現れ、肝不全に至る恐れがあることを追記。肝酵素上昇の有無にかかわらず、黄疸、腹水、肝性脳症等を伴う肝不全が現れることがあるとして、注意を促した。

 

また、「重大な副作用」の項にも、プロトロンビン時間延長、アルブミン低下などが見られ、肝不全に至ることを追記した。PMDAによると、直近3年間で肝予備能低下に関連した症例は37例で、このうち因果関係が否定できない症例が21例、死亡が1例あったという。

 

そのほか、前立腺癌治療薬「アビラテロン酢酸エステル」(ザイティガ)、2型糖尿病治療薬「アナグリプチン」(スイニー)、B型肝炎治療薬「アデホビルピボキシル」(ヘプセラ)などにも添付文書の改訂を指示した。

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出典:薬事日報

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