医療機器

世界初のデジタルメディスン、FDAからの指摘で承認見送り

薬+読 編集部からのコメント

抗精神病薬「エビリファイ」の極小センサー入り製剤とパッチ型シグナル検出器を組み合わせた世界初のデジタルメディスン。服薬に問題を抱えることが多い精神疾患患者の服薬アドヒアランス改善を目指してアメリカで申請中でしたが、有効性・安全性エビデンスが十分ではないとの理由から今回の承認は見送りとなりました。

大塚製薬と米プロテウス・デジタル・ヘルスは4月26日、米国申請中の抗精神病薬「エビリファイ」に独自の極小センサーを組み込んだセンサー入り製剤と、パッチ型シグナル検出器を組み合わせた世界初の「デジタルメディスン」について、米FDAから現状の提出データでは承認を認めないとする「審査完了報告通知」を受領したと発表した。今後、FDAと協議を行い、新たに追加試験を行うのか、別のデータを追加提出するかを検討し、開発の方向性を探る方針。


 

エビリファイのデジタルメディスンは、医薬品と医療機器であるセンサーを一体化したコンビネーション製品で、米FDAでも初事例となり、注目されていた。同社では昨年9月に、エビリファイの有効性・安全性データ、既に医療機器として承認されているプロテウスのセンサー、パッチ型シグナル検出器の有効性・安全性データを根拠に、統合失調症、双極性I型障害の躁病、混合型症状の急性期、成人の大うつ病性障害の補助療法で、服薬アドヒアランスを測定することを目的に申請していた。

 

しかし今回、デジタルメディスンとして臨床試験を実施していないため、有効性・安全性エビデンスが十分ではないとの理由から、現状のデータでの承認を認めないとする措置が取られることになった。

 

デジタルメディスンは、服薬に問題を抱えるケースが多い精神疾患患者に対し、服用状況を服薬測定ツールを通じてデータで管理し、スマートフォンやタブレット端末を通じて患者や医療従事者、介護者に情報を提供することで服薬アドヒアランスを改善する。

 

体に貼付するパッチ型の検出器は、患者がいつ薬を飲んだかなどの服薬データだけではなく、身体状態や活動量など様々なデータを検出することが可能。集めたデータは、スマートフォンやタブレット端末などに転送され、患者の同意のもと医療従事者に情報提供される仕組みとなっている。

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出典:薬事日報

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