医療費

乾癬治療薬「トルツ皮下注」、薬価収載取り下げ

薬+読 編集部からのコメント

2016年8月31日に薬価収載予定だった、乾癬治療薬「トルツ皮下注」(一般名:イキセキズマブ)。外国平均価格調整が適用されたため、80mg1mL1筒の薬価が調整前の14万6244円から24万5873円と、類似薬の3倍以上の薬価に引き上げられたことを受け、メーカーは収載取り下げを行いました。現在、再申請のための調整中ということです。

日本イーライリリーは、8月31日に薬価収載予定だった乾癬治療薬「トルツ皮下注」(一般名:イキセキズマブ)に関して、薬価基準への収載取り下げを行った。外国平均価格調整ルールにより、類似薬の「コセンティクス皮下注」に比べ3倍以上の薬価に引き上げられたことを受け、8月24日の中央社会保険医療協議会総会で、トルツよりも類薬の処方を優先する方向性が示されたことから、現状の薬価だと処方制限につながると判断した。同社では、「トルツを必要な患者に処方制限なく提供できるようにしたい」として、薬価再申請に向け、当局との協議を行っていく方向だ。

 

トルツは、7月4日に乾癬治療薬として承認された新薬で、IL-17Aに結合し、活性を中和するモノクローナル抗体。コセンティクスを比較薬として、類似薬効比較方式Iで薬価が算定された。

 

既に海外では承認されており、外国価格との乖離が大きい場合に薬価調整を行う外国平均価格調整が適用されて、80mg1mL1筒の薬価が調整前の14万6244円から24万5873円に引き上げられた。8月24日の中医協総会で了承された。

 

ただ、トルツの薬価は、コセンティクスの7万3132円、31日に薬価収載された協和発酵キリンが販売する「ルミセフ皮下注」の210mg1.5mL1筒も、7万3158円と3倍以上も高い。中医協総会でも「同じ作用機序のものであれば、トルツではなく他の安い薬価の薬剤を使うようにできないか」といった留意事項通知による処方制限を検討する意見が出ていた。

 

このことを踏まえ、同社では薬価収載取り下げを決定した。今後、薬価再申請に向けた協議を行うとしている。

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出典:薬事日報

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