創薬・臨床試験

先駆け審査指定制度、6品目を初指定‐抗癌剤や難病治療薬など

薬+読 編集部からのコメント

厚生労働省は「先駆け審査指定制度」の対象に、抗癌剤や難病治療薬など6品目を指定しました。世界に先駆けて新薬の開発や実用化を進め、新薬の承認審査期間を6ヵ月に短縮することを目指しています。

厚生労働省医薬・生活衛生局審査管理課は27日、世界に先駆けて新薬の開発や実用化を進めるための「先駆け審査指定制度」の対象に、抗癌剤や難病治療薬など6品目を指定した。同制度での指定は初めて。今後、治験段階から優先的に相談に乗るなどして、通常、12カ月かかる新薬の承認審査期間を半分の6カ月に短縮することを目指す。


 

制度の対象となるのは、生命に重大な影響があり、根治療法がなく症状が継続しているなど、一刻も早い実用化が求められる疾患領域の医薬品。

 

さらに、▽既承認薬と異なる新規作用機序であること(開発対象とする疾患への適応が初めての場合や、革新的な薬物送達システムを用いているものなどで、その結果、大幅な改善が見込まれるものも含む)▽既承認薬が存在しない、または既存の治療薬や治療法に比べて有効性の大幅な改善が見込まれること(著しい安全性の向上が見込まれる場合も含む)▽世界に先駆けて日本で申請される(同時申請も含む)予定――といった要件を満たす必要がある。厚労省が申請のあった50品目を評価した結果、6品目が指定された。

 

シロリムス(NPC-12G)(申請者ノーベルファーマ):予定される効能・効果は、結節性硬化症に伴う血管線維腫。免疫抑制剤「シロリムス」の外用剤で、局所療法となるため、従来の経口薬に比べて副作用リスクの低減が期待できる。

 

NS-065/NCNP-01(日本新薬):予定される効能・効果は、デュシェンヌ型筋ジストロフィー。現在、ステロイド剤で筋力の低下を抑える対症療法しかないが、同剤は筋肉に必要な蛋白質が生成できる点が評価された。

 

S-033188(塩野義製薬):予定される効能・効果は、A型またはB型インフルエンザウイルス感染症。ウイルスの増殖を抑制する作用機序を持ち、タミフルなどの抗インフルエンザ薬に耐性を示すウイルスへの効果が期待されている。

 

BCX735(Integrated Development Associates):予定される効能・効果は、遺伝性血管浮腫(HAE)の患者を対象とした血管性浮腫の発作の管理。既承認の浮腫による発作を抑える薬剤に対して、浮腫を未然に防ぐことを目的としたもの。

 

ASP2215(アステラス製薬):予定される効能・効果は、初回再発または治療抵抗性のFLT3遺伝子変異陽性急性骨髄性白血病。白血病患者の3割がFLT3陽性で、この遺伝子に着目した治療薬はない。

 

ペムブロリズマブ(遺伝子組み換え)(MSD):予定される効能・効果は、治癒切除不能な進行・再発の胃癌。海外では既に肺癌の適応で承認されているが、世界初となる胃癌での開発を目指す。

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出典:薬事日報

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