医療費

公務員薬剤師、初任給は20万7800円‐4年連続で引き上げ勧告

薬+読 編集部からのコメント

公務員薬剤師の給与は今年4月に減額されていますが、人事院が民間の薬剤師給与と公務員薬剤師との減額前の給与を比較したところ、基本給・特別給ともに公務員が民間を下回ったため、2017年度の国家公務員薬剤師給与とボーナスを民間並みに引き上げることにしました。
4月の薬剤師平均給与額を見ると、平均年齢37.6歳で時間外手当を差し引いて33万4052円。
薬局長は平均年齢51.5歳で48万8181円で、民間薬局長の給与は去年と比べて大幅にアップしています。

人事院は8日、2017年度の国家公務員給与である月例給(基本給)を0.15%、ボーナス(期末・勤勉手当)も0.1カ月分引き上げるよう国会と政府に勧告した。4月分の減額前給与が民間よりわずかに下回ったことから、俸給表の水準を引き上げると共にボーナスに当たる特別給の支給額を増額する。病院等に勤務する公務員薬剤師は医療職俸給表(二)が適用され、6年制薬剤師の初任給(2級15号俸)は20万7800円となり、昨年に比べて1000円アップしたが、引き上げ額は一昨年の1500円に比べて減少した。引き上げ勧告は4年連続となる。


国家公務員の給与は、民間企業の4月分の給与を調査した上で比較し、官民差を埋めることを基本に勧告を行っている。特別給(期末・勤勉手当)についても、民間ボーナスの過去1年間の支給実績を把握し、国家公務員の支給月数を合わせている。

 

給与勧告を行うため、全産業をカバーする全国約1万2400の民間事業所の約53万人を対象に個人別給与を調査した。それによると、今年4月の減額前の国家公務員給与は民間を631円(0.15%)下回り、ボーナスは昨年8月から今年7月までの民間の支給割合が4.42カ月に対し、公務員の支給月数は4.30カ月と下回ったことから、民間の支給割合に見合うよう0.1カ月引き上げることにした。

 

公的病院等に勤務する薬剤師は、栄養士、臨床検査技師、理学療法士、作業療法士等と共に医療職俸給表(二)が適用される。薬剤師の初任給は20万7800円と、昨年度より1000円アップした。

 

今年の民間給与調査によると、昨年度中に薬剤師免許を取得し、今年4月までに採用された準新卒薬剤師の初任給が企業規模100人以上500人未満では22万5158円、500人以上では22万3230円と、昨年よりも2000円程度下回ったものの、依然として民間の初任給と2万円程度の差が見られる。

 

今年の国家公務員給与等実態調査では、医療職俸給表(二)の適用職員数は458人で、平均年齢は45.9歳と昨年に比べて0.4歳上がり、平均経験年数は20.8年と0.4年増えた。

 

民間初任給はダウン‐平均22万4419円に

 

また人事院は、従業員50人以上の事業所を対象に17年4月現在の民間給与実態の調査結果を公表した。準新卒の薬剤師初任給は、時間外手当や家族手当、通勤手当等を除き平均22万4419円で、昨年より825円ダウンした。企業規模が500人以上では22万3230円と2134円のダウン、100人以上500人未満でも22万5158円と1868円のダウンとなり、500人以上の企業より100人以上500人未満の企業で初任給が高い状況は変わっていない。民間給与はダウンしたものの、公務員薬剤師の初任給と1万5000~7000円程度の差が見られている。

 

医療関係職種の時間外手当を差し引いた4月支給分の平均給与額を見ると、薬剤師が平均年齢37.6歳で33万4052円、薬剤師2人以上の部下がいる薬局長は平均年齢51.5歳で48万8181円となった。昨年に比べて、一般の薬剤師の平均給与は前年並みの約5800円アップとなったが、薬局長は、昨年の約2400円のダウンから約1万4000円の大幅アップに転じた。

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出典:薬事日報

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