医療費

医療費適正化へGE薬促進‐勧め方好事例集などを作成

薬+読 編集部からのコメント

大阪府が後発薬の使用推進に本腰を入れ始めました。
現在、府のGE薬の使用状況では、今年5月時点で数量ベース65.8%と全国平均を下回り、全国第42位という位置づけ。
今月開催された「府後発医薬品安心使用促進のための協議会」ではGE薬の勧め方の好事例収集のためのアンケート調査結果も公表され、切り替えを進めるのに最も効果があるのは「処方されていた先発医薬品のGE薬が発売された時」との回答が多く寄せられました。

大阪府は14日、2017年度第1回目となる「府後発医薬品安心使用促進のための協議会」を開催し、今年度中に策定する第3期(18~23年度の6年間)の府医療費適正化計画における後発医薬品(GE薬)使用促進策などの方向性等を確認した。


府は適正化計画案の中で23年度の総医療費を3兆8776億円と見込んでいる。このうち、自然体の医療費(入院外)の見込みを2兆2760億円と試算。GE薬普及80%等を含む適正化後の医療費を319億5000万円減の2兆2440億円としている。適正化効果額319億5000万円のうちGE使用促進によるものは248億円の効果を見込んでいる。

 

これら数値は、13年10月時点でGE薬のある先発品をGE薬に置き換えた場合の効果額等をもとに、使用割合70%を80%に引き上げた場合の効果額として推計。適正化計画は計画策定の今後のスケジュールは、医療費適正化計画推進審議会を今月23日に開催。1月下旬からパブリックコメント、市町村意見照会などの手続きに入り、3月末までに計画を策定する予定という。

 

現在、府のGE薬の使用状況では、今年5月時点で数量ベース65.8%と全国平均を下回り、全国第42位という位置づけにある。

 

同協議会では、今年6月にGE薬調剤割合75%以上の薬局に対して実施したGE薬の勧め方の好事例収集のためのアンケート調査結果も公表された。GE薬を勧めるタイミングで最も効果があるのは「処方されていた先発医薬品のGE薬が発売された時」との回答が多かった。また、GE薬を希望しない患者から使用への理解を得られた具体的な事例として、▽AGの積極的採用▽製剤工夫をしたGE薬を勧める▽患者の窓口負担金の差額提示――などが挙げられた。

 

薬局薬剤師からの働きかけが有効であるデータもあることから、同調査をもとにした好事例集(ハンドブック)を今年度内に作成し、薬局店頭で配布し、患者への周知協力などの啓発を図る。

 

また、GE薬の年代別使用割合データでは5~15歳の使用割合が低いことも判明。保護者を含む子供に対し、GE薬への理解を深めるため府の「放課後子ども教室」での講座開設のほか、学校薬剤師による講習会などを実施していく。

 

このほか、府内市町村別のGE薬使用状況では、市町村間で最大14.6%の差が生じていることも判明。その要因を様々な観点から分析調査。モデル地域を指定し、市町村国保などで地域における課題解決に向けた取り組みを行う計画が示された。

 

協議会の議論の中では、薬効分類別のGE薬の使用状況では、外皮用薬が37.3%(16年度数量ベース)と低い水準にあることが問題視された。特にパップ剤については医師、薬剤師の委員からかも、使用感に対する先発品との差があるとの見解が示され「GE薬へ切り替えた場合の苦情が最も多い」との声も挙がった。また「パップ剤は数量ベース80%到達に向けネックとなる」といった意見も出た。

 

GEメーカー委員からは、日本ジェネリック製薬協会が厚生労働省と共同で、GE薬の使用促進に向けたパネルディスカッションを来年2月に東京都で開催することが紹介された。それ以降も6~7月にかけて大阪府や神奈川県など使用促進が遅れている地域を対象に啓発活動を実施する計画だという。

 

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出典:薬事日報

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