半数以上は発症後に治療薬使用‐花粉症経験者1200人へ調査
日本気象協会が17日に発表した今春の花粉飛散予報(第4報)によれば、今月前半には気温の上昇と共に多くの地域で花粉飛散が確認され、特に九州や四国地方ではスギ花粉の飛散数が次第に増加するなど、今後は各地で花粉シーズンのピークが訪れそうだ。こうした中、日本調剤では全国の花粉症経験者1198人を対象に「花粉症の実態と対策」を聞いたところ、約4割の人は「我慢できる程度だから」「面倒だから」等の理由で病院へは治療に行かず、また半数以上の人は治療薬(処方薬、市販薬)について、花粉症を発症してから使うとの傾向が示された。
調査は1月16~19日にかけて、花粉症と自覚・診断されたことがある全国の20代以上の花粉症経験者1198人(男性593、女性605)を対象に、インターネットで行った(調査実施はインテージ)
花粉症の治療で病院(診療所やクリニックも含めた医療機関全般)に行くかを聞くと、「必ず行く」は23・1%、「行く場合もある」が35・5%で、合わせて6割近くの人は花粉症で病院に行くという回答であった。これに対し「行かない」は41・4%であり、行かないという割合は、30代女性(54・3%)、20代男性(52・2%)、20代女性(51・9%)が特に高い。
病院に行かないと回答した496人に、その理由(複数回答)を挙げてもらうと、最も多いのが「我慢できる程度だから」44・6%で、次いで「面倒だから」33・5%、「病院に行っても完治するわけではないから」28・8%、「市販薬で十分だと思うから」27・8%、「毎年のことで病気ではないと思うから」26・4%などが続く。性年代別に見ると、男性の20代と30代、女性の20代というように、若い世代で「面倒だから」という理由が最も高かった。
花粉症の治療薬を使用するタイミングを聞くと、内服薬、外用薬(点眼薬・点鼻薬・軟膏など)共に「花粉症の症状が出てから使用する」が最も多かった(内服薬では29・6%、外用薬では38・0%)。次いで多かったのが「花粉症の症状がひどい時だけ使用する」(内服薬24・1%、外用薬23・5%)であり、症状が出てから治療薬を使用している人が半数以上となった。
処方薬や市販薬を含め、使用している治療薬の満足度はというと、「満足している」という人は10・0%にとどまり、「やや満足している」が44・5%ということで、半数近くの人(どちらともいえない35・0%、やや不満8・8%、不満1・7%)は、治療薬に満足感を得ていない様子がうかがえた。
このほか、花粉症の治療薬を使用して何らかの影響が出た場合に、医師や薬剤師に相談するかも聞いている(これまで薬の影響が出たことのない人は、影響が出た場合を想定して回答)。「必ず相談する」は24・2%、「相談することもある」は43・8%となり、約7割の人は相談する意向を示した。性年代別に“相談する”人が最も多いのは、女性40代(83・0%)で、以下は女性70代以上(79・4%)、男性70代以上(79・3%)、女性60代(75・8%)と続く。
一方、「全く相談しない」人は全体の15・8%で、性年代別では男性50代(26・9%)、男性30代(25・5%)、女性30代(23・3%)などが多かった。
出典:薬事日報
薬+読 編集部からのコメント
花粉症の季節が近づいてきましたね。今回の調査結果を見ると、「花粉症は病気ではない」「受診したり、薬を飲むほどではない」と考えている人が多いようです。個人的には、少々意外な調査結果でした。