国内販促会社ランキング、ギリアドがトップ5入り‐C型肝炎治療薬「ハーボニー」、売上3000億円に迫る
クインタイルズIMSが調査
医家向け医薬品を対象とした日本医薬品市場は、薬価改定の影響を受けながらも、前年比0.3%増の10兆6246億円となったことが、クインタイルズIMSの調査で分かった。抗癌剤とC型肝炎治療薬が伸長し、売上上位10製品ではC型肝炎治療薬「ハーボニー配合剤」が2960億円と3000億円に迫るほどの売上金額を記録し、抗癌剤「オプジーボ」も3位にランクインした。販促会社では、C型肝炎治療薬を販売するギリアド・サイエンシズが前年の18位から5位に大躍進した(表参照)
市場別に見ると、病院市場が5.1%増の4兆5753億円とプラス成長。開業医市場は2.3%減の2兆1753億円、薬局その他市場は3.6%減の3兆8738億円と縮小した。
上位10薬効では、抗腫瘍剤が薬効領域として初めて9000億円を突破し、2位にC型肝炎治療薬が拡大した全身性抗ウイルス剤が22.3%増と大きく市場拡大した。3位以降には糖尿病治療剤、レニン-アンジオテンシン系作用薬、抗血栓症薬が続いた。大きく減少したのがレニン-アンジオテンシン系作用薬で前年比10.8%減で3年連続マイナス成長となった。ARBが不振で、ブロプレス、ディオバン、オルメテックが軒並み二桁減と沈んだ。
製品別では、4製品が売上1000億円以上となった。C型肝炎治療薬ではハーボニーがトップ、ソバルディが5位、抗癌剤ではアバスチンが2位、オプジーボが3位と上位を席巻し、4位のプロトンポンプ阻害剤「ネキシウム」も10.6%増と好調だった。前年3位でベスト10の常連だった抗血小板薬「プラビックス」はランク外となった。
販売会社上位20社では、武田薬品が0.4%増の6829億円とトップを確保、2位には第一三共が2.6%増の6327億円と一つ順位を上げた。3位のアステラス製薬は7.1%減の5982億円、4位の中外製薬は1.2%増の4729億円、5位のファイザーが2.6%減の4529億円となった。以下はギリアド・サイエンシズ、田辺三菱製薬、大塚製薬、MSD、ノバルティスファーマ、グラクソ・スミスクラインと続く。
MRの販促活動により計上される販促会社上位20社のランキングでは、ファイザーのトップは変わらず、6%減の5827億円、第一三共が0.9%増の4827億円、中外製薬が1.1%増の4741億円と続いた一方、武田薬品は4.6%減の4741億円の4位とトップ3から外れた。5位にはギリアドが71.6%増の3937億円とトップ5の一角に食い込んだ。以下、アストラゼネカ、田辺三菱、MSD、ノバルティスファーマ、バイエル薬品となった。国内大手のエーザイは圏外、小野薬品が59.1%増の大幅増で16位にランクインした。上位20社における内外資の構成は、内資系9社、外資系11社となり、前年に比べ内資系が1社増えた。プラス成長は8社だった。
出典:薬事日報
薬+読 編集部からのコメント
クインタイルズIMSの調査で医家向け医薬品を対象とした日本医薬品市場は前年比0.3%増の10兆6246億円となったことが明らかになりました。売り上げ上位10製品が一覧表で紹介されています。1位のC型肝炎治療薬「ハーボニー配合剤」は2960億円と、3000億円に迫る売上金額を記録しています。