報告品目を薬価収載‐ランタス後続品など12成分
厚生労働省は、きょう29日に薬事・食品衛生審議会医薬品部会の報告品目・新キット製品の12成分15品目を薬価基準に収載する。内用薬は、糖尿病食後血糖改善薬「セイブル」のOD錠など3成分4品目。注射薬は、短時間作用型β1選択的遮断薬「オノアクト点滴静注用」の大規格製剤など5成分6品目、外用薬は緑内障・高眼圧症治療薬「コソプト配合点眼液」の1回使い切りタイプの規格追加など4成分5品目だった。
「セイブルOD錠50mg、同75mg」(三和化学研究所)は、既存の普通錠にOD錠を追加。別の銘柄として算定せず、50mg錠、75mg錠と同薬価とした。
カルシウム受容体作動薬「レグパラ錠12・5mg」(協和発酵キリン)は、二次性副甲状腺機能亢進症の患者等に対し、きめ細かい用量調節ができる低用量規格を追加したもの。規格間調整で算定した。
抗HIV薬「プリジスタ錠600mg」(ヤンセンファーマ)は、1日2回2錠ずつ服用する必要があった既存の300mg錠に対し、1日2回1錠ずつの服用で済むよう患者の利便性を改善した高用量製剤。規格間調整で算定した。
「オノアクト点滴静注用150mg」(小野薬品)は、頻脈性不整脈の患者に投与されることから、大量に使用する時の利便性向上を目的に、高含量の剤型を追加したもの。規格間調整で算定した。
2型糖尿病治療薬「ビデュリオン皮下注用2mgペン」(アストラゼネカ)は、既存のシリンジ型製剤の調製や投与に関する操作手順を少なくするなど、使いやすさを改善した単回使用のペン型製剤。キット製品として算定し、薬剤部分は類似薬効比較方式Iで算定した。
インスリン製剤「インスリングラルギンBS注カート『リリー』、同BS注ミリオペン『リリー』」(日本イーライリリー)は、サノフィの「ランタス」のバイオ後続品。インスリン製剤のバイオ後続品として、日本で初めて承認された。キット製品として算定し、薬剤部分は類似薬効比較方式Iで算定した。
注射用配合抗菌薬「ゾシン配合点滴静注用バッグ4・5」(大鵬薬品)は、薬剤部にタゾバクタムとピペラシリン、溶解液部に生理食塩液を充填したダブルバッグのキット製品。溶解操作の負担軽減など、使いやすさを改善した。キット製品として算定し、薬剤部分は類似薬効比較方式Iで算定した。
血友病治療薬「オルプロリクス静注用250」(バイオジェン・アイデック・ジャパン)は、新たに最小規格を追加したもの。規格間調整で算定した。
「コソプトミニ配合点眼液」(参天製薬)は、コソプト配合点眼液と同じ成分を含有する防腐剤を含まない1回使い切り製剤。規格間調整で算定した。
慢性閉塞性肺疾患(COPD)治療配合薬「アノーロエリプタ30吸入用」(グラクソ・スミスクライン)は、これまでのアノーロエリプタ7吸入用に、用量の多い30を追加した。キット製品として算定し、薬剤部分は規格間調整で算定した。
長時間作動型抗コリン薬「エンクラッセ62・5μgエリプタ7吸入用、同30吸入用」(グラクソ・スミスクライン)は、アノーロエリプタ30吸入用の有効成分であるウメクリジニウム臭化物を、単剤として製剤化したもの。エリプタ吸入器を使って吸入する。キット製品として算定し、薬剤部分は類似薬効比較方式Iで算定した。
アレルギー性皮膚疾患検査薬「パッチテストパネル(S)」(佐藤製薬)は、22種類のアレルゲンを2枚の貼付剤に置き、患者の皮膚に貼るだけで一度にパッチテストを行うことができる検査薬。既存のパッチテストテープより簡便性を改善した。類似薬効比較方式Iで算定した。
出典:薬事日報
薬+読 編集部からのコメント
2015年5月29日の薬事・食品衛生審議会医薬品部会で薬価収載される品目についての記事です。内用薬、注射薬、外用薬の各成分や規格追加が予定されています。