後発品採用率で目標達成‐国病機構の事業に「A」評価
厚生労働省は15日、独立行政法人の評価に関する有識者会議に、2014年度の国立病院機構の評価報告書を示した。後発品の促進に向けた医薬品使用リストの見直しを行い、全病院での採用率が数量ベースで66・4%と18年度までの中期目標60%を達成するなど高い成果が得られているなどとし、全体の業務に対して5段階評価で2番目に高い「A」評定をつけた。
医療の提供では、医薬品の適正使用と後発品促進の観点から、医薬品の使用指針を見直し、選定した2441医薬品を対象に成分名を表示したリストを作成。その上で、薬剤師が中心となって、医療安全、後発品の有無、購入数量ベースなどを記載した4094品目の商品名リストを作成した結果、後発品採用率は数量ベースで前年度から8ポイント増の66・4%で、18年度までの第3期中期目標60%を上回る結果に結びついたとし、「A」評定をつけた。
臨床研究については、治験の進捗を一元的に管理できるシステムを導入したことで、企業治験は4794例と前年度から587例増えたほか、医師主導治験も334例と前年度から31例増加。また、臨床研究コーディネーターの増員や国際共同治験に向けた研修会など、治験の受け入れ体制の強化に当たったことから、「積極的な取り組みが行われている」とした。
そのほか、院内感染の防止に向けた検討を重ね、今年度から病院間で情報共有できる「院内感染報告制度」の導入を実現させたこと、京都大学iPS細胞研究所と連携し、iPS細胞を使用した難治性疾患等の病因や病態の解明など、新たな治療開発に向けた取り組みをスタートさせたことなどを高く評価した。
同機構は、医療の提供や臨床研究の推進、医療従事者の養成を目的に全国143の病院を運営する独法。業績評価に当たっては、今年度から厚労省医政局が評価する仕組みに移行した。
出典:薬事日報
薬+読 編集部からのコメント
厚生労働省は2014年度国立病院機構の評価報告書を有識者会議に示しました。後発品の採用率が中期目標の「60%」を達成するなど、高評価とのことです。