抗リウマチ剤のバイオシミラー、3剤合計で100億円へ‐品揃え強化し低価格を訴求
リウマチ領域のスペシャリティーファーマ「あゆみ製薬」は、抗TNF-α抗体「インフリキシマブBS点滴静注用100mg『あゆみ』」の上市で、国内バイオシミラー(BS)事業への参入を果たし、承認取得後に販売を予定しているTNF-α受容体製剤「エタネルセプト」、抗TNF-α抗体「アダリムマブ」のバイオシミラー(BS)3剤合計で売上高100億円を目指す。参天製薬から承継した抗リウマチ薬4剤と共に品揃えを強化していき、早期に500億円を達成したい考えだ。大内光社長は、本紙のインタビューに応じ、「バイオシミラー3剤を提供できるのはわれわれだけ。最適と考えられるリウマチ治療の組み合わせを提案できるのに加え、安価で患者さんに提供できるのがメリットだ」と今後の事業に自信を示した。
あゆみ製薬は、参天製薬から抗リウマチ薬4剤を承継し、2015年から事業を開始。昭和薬品化工から鎮痛剤「カロナール」を中心とした医薬品事業も譲受し、リウマチに加え、整形外科、疼痛領域へと拡大を図り、16年度売上は240億円となっている。
バイオシミラーへの参入は、売上500億円を早期に達成するに当たっての重要な戦略となっており、第1号製品としてインフリキシマブBS「あゆみ」の上市を果たした。日医工子会社のヤクハン製薬と共同開発で、あゆみが単独販売する。また、同剤は1物2名称で、「インフリキシマブBS点滴静注用100mg『日医工』」として、日医工とゼリア新薬が共同販促を行う。インフリキシマブBSは、既に日本化薬が先行して販売を開始しているが、「われわれは、国内第III相試験のデータを有していることが強み」と日本化薬が持つ海外エビデンスとの差別化につなげる。
販売網は、営業開始時の旧参天が持つリウマチの医療機関1200施設から2倍の約2400施設にまで拡大した。バイオシミラー事業は、他社と連携していき、開発と製造は提携先が担い、自前で情報提供活動を行う。営業体制も今後の事業を見ながらMRを110人から150人に増強する計画で、エムスリーが提供するeディテーリングも活用しながら、販売体制を強化した。「経済的な理由から、バイオ製剤を使用したくてもできない患者さんは多い」とバイオシミラーを訴求していく考えだ。
今後は、持田製薬と国内共同販売契約を締結している申請中のエタネルセプトと、臨床試験段階にあるアダリムマブの販売を予定している。バイオ製剤は、一定期間投与すると効き目が弱くなる抵抗性を生じることが多いが、「リウマチ領域で多く使用されている3剤がバイオシミラーで使用できることは患者さんにとって大きなメリットがある。一つの薬剤が効かなくなっても、次のバイオ製剤を低価格で提案できる」と治療選択肢の拡大に期待感を示した。
出典:薬事日報
薬+読 編集部からのコメント
「あゆみ製薬」は、リウマチ領域のスペシャリティーファーマです。
そのあゆみ製薬がバイオシミラー(バイオ後続品)の国内市場への進出を果たしました。