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抗PD-1抗体「キイトルーダ」、膀胱癌で完全奏効率40%弱

薬+読 編集部からのコメント

「とくダネ!」小倉智昭さんが番組内で療養を宣言した膀胱癌に関する医薬情報です。
高リスク筋層非浸潤性膀胱癌を対象とした、抗PD-1抗体「キイトルーダ」(一般名:ペムブロリズマブ)に、
約40%弱の完全奏効率を示した解析結果が発表されました。

MSDは、高リスク筋層非浸潤性膀胱癌(NMIBC)を対象とした抗PD-1抗体「キイトルーダ」(一般名:ペムブロリズマブ)の第II相試験「KEYNOTE-057」で、投与開始3カ月で完全奏効(CR)率38.8%を示したとする中間解析結果を発表した。欧州臨床腫瘍学会(ESMO)年次総会の口頭セッションで発表された。

 

同試験は、上皮内(CIS)腫瘍またはCIS+乳頭状腫瘍を有する治療歴のあるNMIBC患者(コホートA)130人と、CISを伴わない乳頭状腫瘍を有する患者130人(コホートB)の二つのコホートで構成された第II相試験。コホートA試験の主要評価項目の中間解析で、現在の標準治療であるウシ型弱毒結核菌(BCG)療法が不応となり、根治的膀胱切除術が適さないか根治的膀胱切除術を拒否した患者において、キイトルーダ投与開始後3カ月のCR率では38.8%を示した。

 

再発・転移性頭頸部扁平上皮癌(HNSCC)患者の一次治療として、キイトルーダ単剤療法、化学療法との併用療法と標準療法を比較した第III相試験「KEYNOTE-048試験」では、単剤・併用群共にPD-L1の発現に関わらず全生存期間(OS)を改善した。

 

同試験は再発・転移性HNSCC患者882人を対象とした一次治療で、キイトルーダ単剤療法か併用療法を、現在の標準療法であるEXTREMEレジメン(セツキシマブとカルボプラチン併用、またはシスプラチンと5-FU併用群)と比較した第III相無作為化非盲検試験。OSについて標準療法と比べ単剤群で4.2カ月、併用群で2.3カ月の延長を示した。無増悪生存期間(PFS)では群間差が見られなかった。

 

アキシチニブとの併用の第III相、腎癌で優位な改善

 

進行・転移性腎細胞癌(RCC)の初回治療で、マルチターゲット型RTK阻害剤「スーテント」(一般名:スニチニブ)投与群に対するキイトルーダと米ファイザーのチロシンキナーゼ阻害剤「アキシチニブ」の併用療法群を検討した第III相試験「KEYNOTE-046」について、全生存期間(OS)と無増悪生存期間(PFS)の二つの主要評価項目で有意な改善を示した。進行・転移性RCCに対する併用療法でOSとPFSを改善した初の抗PD-1抗体となった。今後の学会で同試験の結果を発表し、各国の規制当局に申請する予定。

 

同試験は、進行・転移性RCC患者861人を対象に、キイトルーダとアキシチニブ併用群、スーテント群を直接比較した第III相無作為化試験。副次評価項目である客観的奏効率(ORR)についても、併用群の有意な改善が認められた。

 

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出典:薬事日報

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