新薬7品目の承認・一変了承‐「ビバンセ」は流通管理策確認
薬事・食品衛生審議会医薬品第一部会は3日、アステラス・アムジェン・バイオファーマの骨粗鬆症治療薬「イベニティ皮下注」(一般名:ロモソズマブ)など7品目の承認と一部変更承認を審議し、了承した。塩野義製薬の注意欠陥多動性障害(ADHD)治療薬「ビバンセカプセル」(一般名:リスデキサンフェタミンメシル酸塩)については、覚醒剤の原料に指定され、特別な流通管理を行う必要があることから、今回の部会では流通管理策案を了承した。パブリックコメントを募った上で、来年1月以降の部会で承認の可否を審議する予定。
審議品目
▽イベニティ皮下注105mgシリンジ(アステラス・アムジェン・バイオファーマ):新有効成分のロモソズマブ(遺伝子組み換え)を含有し、骨折の危険性の高い骨粗鬆症を効能・効果とする。
用法・用量は、210mgを1カ月に1回、12カ月皮下投与する。再審査期間は8年。
海外で承認している国・地域はない。
▽タリージェ錠2.5mg、同5mg、同10mg、同15mg(第一三共):新有効成分のミロガバリンベシル酸塩を含有し、末梢性神経障害性疼痛を効能・効果とする。
用法・用量は、初期用量1回5mgを1日2回経口投与し、その後1回用量として5mgずつ1週間以上の間隔をあけて漸増し、1回15mgを1日2回経口投与する。
再審査期間は8年。海外承認はない。
▽ミネブロ錠1.25mg、同2.5mg、同5mg(第一三共):新有効成分のエサキセレノンを含有し、高血圧症を効能・効果とする。
用法・用量は、2.5mgを1日1回経口投与し、効果不十分な場合は5mgまで増量できる。
再審査期間は8年。海外承認はない。
▽デムサーカプセル250mg(小野薬品):新有効成分のメチロシンを含有し、褐色細胞腫のカテコールアミン分泌過剰状態の改善を効能・効果とする。
用法・用量は、成人と12歳以上の小児に対して、1日500mgから経口投与を開始し、効果不十分な場合は経過を十分に観察しながら3日間以上の間隔をおいて1日250mgまたは500mgずつ漸増し、患者の尿中カテコールアミン量と症状の十分な観察のもと適宜増減する。1日最高用量は4000mg、1回最高用量は1000mg、投与間隔は4時間以上。
希少疾病用医薬品で再審査期間は10年。未承認薬等検討会議の開発公募品目。海外では、米国で承認されている。
▽レルミナ錠40mg(武田薬品):新有効成分のレルゴリクスを含有し、子宮筋腫による過多月経、下腹痛、腰痛、貧血の改善を効能・効果とする。
用法・用量は、40mgを1日1回食前に経口投与し、初回投与は月経周期1~5日目に行う。
再審査期間は8年。海外承認はない。
▽ビムパットドライシロップ10%、同点滴静注200mg、同錠50mg、同錠100mg(ユーシービージャパン):有効成分のラコサミドを含有する抗てんかん剤。錠剤で小児の用法・用量を設定することに伴い、ドライシロップと点滴静注の剤形を追加する。二次性全般化発作を含むてんかん患者の部分発作を効能・効果とし、点滴静注による投与は錠剤、ドライシロップによる経口投与が一時的にできない患者に対する代替療法としている。
用法・用量は、錠剤について、4歳以上の小児に対して、1日2mg/kgから投与を開始し、その後1週間以上の間隔をあけて1日用量として2mg/kgずつ増量し、維持用量を30~50kg未満のそれぞれ体重ごとに経口投与する。
ドライシロップでは、成人は1日1gから投与開始し、その後1週間以上の間隔を空けて増量し、維持用量を1日2gとする。いずれも1日2回に分けて用時懸濁して経口投与する。4歳以上の小児では、1日20mg/kgから投与開始し、その後1週間以上の間隔を空けて1日用量として20mg/kgずつ増量し、維持用量を体重ごとに経口投与する。
点滴静注では、経口投与から切り替える場合、経口投与と同じ1日用量・投与回数で1回量を30分から60分かけて点滴静脈内投与する。4歳以上の小児は、1日2mg/kgから投与開始し、その後1週間以上の間隔を空けて2mg/kgずつ増量し、維持用量を体重ごとに経口投与する。
再審査期間は、錠剤とドライシロップは残余の2024年7月3日まで。点滴静注は6年。海外では、小児の部分発作に対する効能・効果で欧米など32カ国において承認されている。
▽スーグラ錠25mg、同50mg(アステラス製薬):有効成分のイプラグリフロジンL-プロリンを含有する糖尿病治療剤。新たに1型糖尿病を効能・効果に追加する。
用法・用量は、1型糖尿病に対して、インスリン製剤との併用において、50mgを1日1回朝食または朝食後に経口投与する。再審査期間は4年。海外で1型糖尿病の効能・効果で承認している国・地域はない。
なお、塩野義製薬のADHD治療薬「ビバンセカプセル20mg、同30mg」については覚醒剤の原料に指定され、特別な流通管理を行う必要があることから、この日の部会では流通管理策案を了承した。
パブリックコメントを募った上で、来年1月以降の部会で承認の可否について審議する予定。
報告品目
▽ビソノテープ2mg、同4mg、同8mg(トーアエイヨー):有効成分のビソプロロールを含有する経皮吸収型β1遮断剤で、新たに頻脈性心房細動を効能・効果に追加することに伴い、2mgを新剤形として追加した。
用法・用量は、頻脈性心房細動に対して、1日1回4mgから投与開始し、効果不十分な場合は1日1回8mgに増量する。胸部、上腕部、背部のいずれかに貼付し、貼付後24時間ごとに貼り替える。1日最大投与量は8mgまで。
再審査期間は残余の21年6月27日までで、海外では承認している国・地域はない。
出典:薬事日報
薬+読 編集部からのコメント
塩野義製薬の注意欠陥多動性障害(ADHD)治療薬「ビバンセカプセル」は、覚醒剤の原料に指定され、特別な流通管理の必要があるため、流通管理策案を了承。ほか、新薬7品目の承認と一部変更承認が了承されました。