創薬・臨床試験

泡状UC治療薬が初登場‐新薬等2件の承認・一変了承

薬+読 編集部からのコメント

薬事・食品衛生審議会医薬品第一部会が、EAファーマのレクタブル2mg注腸フォーム14回、ファイザーのレバチオ錠20mg、同懸濁用ドライシロップ900mg、同ODフィルム20mg2件の新薬を承認しました。
また、レミッチカプセル2.5μg、同OD錠2.5μg(東レ)、ノピコールカプセル2.5μg(東レ・メディカル)などに効能・効果の追加、一部の変更を承認しました。

薬事・食品衛生審議会医薬品第一部会は1日、EAファーマの潰瘍性大腸炎(UC)治療薬で、国内初となる泡状注腸製剤「レクタブル2mg注腸フォーム14回」、バイオジェン・ジャパンの「スピンラザ」の乳児型以外の「脊髄性筋萎縮症」への適応拡大など、2件の承認と一部変更承認を審議し、了承した。

 

審議品目

 

レクタブル2mg注腸フォーム14回(EAファーマ):有効成分のブデソニドを含有し、潰瘍性大腸炎(重症を除く)を効能・効果とする新投与経路医薬品。

 

同剤は注腸フォーム製剤。潰瘍性大腸炎の適応を持つ注腸剤としては、ペンタサ注腸、プレドネマ注腸、ステロネマ注腸などが承認されているが、いずれも液剤で、投与後に肛門からの薬剤漏出や投与時に臥位の姿勢を強いられるなどの問題があった。

 

薬剤を泡状にすることで、腸管内における薬液の保持性を高め、患者のコンプライアンスや利便性の向上につながることを期待して開発された。用法・用量は、1回あたり1プッシュ、1日2回直腸内に噴射して用いる。

 

再審査期間は6年。海外では、2017年3月時点で欧米など36カ国で承認されている。

 

レバチオ錠20mg、同懸濁用ドライシロップ900mg、同ODフィルム20mg(ファイザー):有効成分のシルデナフィルクエン酸塩を含有する肺動脈性肺高血圧症(PAH)治療薬で、小児の用法・用量を追加する。

 

同剤は、これまで成人のPAHに用いられてきたが、小児にも使えるようにするため、新剤型のドライシロップとODフィルムを追加した。小児PAHの患者数は377人と推定される。なお、今回、追加する新剤型は成人に対しても用いることができる。

 

用法・用量は、錠剤とODフィルムは、成人および1歳以上の小児で体重20kg超の場合、ともに1日3回経口投与する。ドライシロップについては、成人と1歳以上の小児で体重20kg超の場合、ともに1日3回経口投与するのに対し、1歳以上の小児で体重8kg以上20kg以下の場合は、半量の1回10mgを1日3回経口投与する。

 

希少疾病用医薬品で再審査期間は6年1日。海外では17年6月現在、小児PAHに対して、35カ国で承認されている。

 

報告品目

 

レミッチカプセル2.5μg、同OD錠2.5μg(東レ)、ノピコールカプセル2.5μg(東レ・メディカル):有効成分のナルフラフィン塩酸塩を含有し、腹膜透析患者におけるそう痒症の改善(既存治療で効果不十分な場合に限る)の効能・効果を追加する。

 

既存の適応である、血液透析患者におけるそう痒症の改善(既存治療で効果不十分な場合に限る)から、「血液」の文言を削除し、腹膜透析患者にも使えるようにする。

 

再審査期間はなし。海外では16年12月現在、腹膜透析患者に対するそう痒症に対する開発は行われていない。

 

パリエット錠5mg、同錠10mg(エーザイ):有効成分のラベプラゾールナトリウムを含有し、逆流性食道炎の維持療法の用法・用量を追加する。

 

現在、逆流性食道炎の維持療法に対しては1回10mgを1日1回投与のみの用法・用量だが、プロトンポンプインヒビターによる治療で効果不十分な逆流性食道炎の維持療法において、「1回10mgを1日2回経口投与」できるようにする。

 

再審査期間はなし。海外では、1日2回投与の開発は行われていない。

 

スピンラザ髄注12mg(バイオジェン・ジャパン):有効成分のヌシネルセンナトリウムを含有し、効能・効果の「乳児型脊髄性筋萎縮症」から「乳児型」の文言を削除する。

 

適応を「脊髄性筋萎縮症」にすることで、乳児型以外の患者にも使えるようにする。

 

国内推定有病率は10万人あたり0.5~1.0人とされ、14年度の特定疾患医療受給者証の所持者数は894人。乳幼児型は患者全体の6割程度と推定される。

 

希少疾病用医薬品で再審査期間は残余期間の27年7月2日まで。海外では16年12月に米国で、今年5月に欧州で承認されている。

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出典:薬事日報

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