薬剤師会

薬価の毎年改定議論、山本会長「承服しかねる」と反対

薬+読 編集部からのコメント

日本薬剤師会の山本信夫会長は政府や中医協が議論している薬価の毎年改定について「承服しかねる」との意見を示しました。政府が「医薬品産業の育成」の方針を掲げる一方で、医療保険制度を維持するための財源を「薬価を削って捻出」することが「本当に正しい方向なのか」と疑問視しています。

政府の動きに不信感表す

山本信夫会長

 

日本薬剤師会の山本信夫会長は1日の定例会見で、政府の経済財政諮問会議や中央社会保険医療協議会で議論されている薬価の毎年改定について「承服しかねる」との考えを示した。


 

山本氏は、高額な抗癌剤「オプジーボ」の薬価引き下げルールの議論をきっかけに、諮問会議が2年に1回の薬価改定を毎年行うよう求めていることについて、現行のルールが「けしからんと言うなら、中医協で議論すべきこと」と主張。

 

中医協の場で、高額薬剤の薬価算定ルールの見直しに向けた議論が「始まったばかりの状態」で、政府側から年4回の新規収載のタイミングで一部の薬価を見直すなどといった具体的な方針が示されたことに不信感を示した。

 

また、薬価改定が診療報酬改定とセットで行われていることについて、「少なくとも中医協で合意できている事項」との認識を示し、薬価改定のみを切り離して議論を進めることを問題視。

 

中医協と厚生労働省の社会保障審議会、政府が打ち出す予算方針といった「三つのバランスで進んできた診療報酬改定が根っこから崩れることにならないか」との懸念を示した。

 

さらに、政府が「医薬品産業の育成」の方針を掲げる一方で、医療保険制度を維持するための財源を「薬価を削って捻出」することが「本当に正しい方向なのか」と疑問視。医薬品を扱う薬剤師としては、「なかなかのみにくい議論であり、承服しかねる」との考えを示した。

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出典:薬事日報

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