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薬価制度、現状維持を主張‐ジョンソン委員長「毎年改定で市場が3割縮小」

薬+読 編集部からのコメント

米国研究製薬工業協会(PhRMA)の新在日委員会委員長に就任したパトリック・ジョンソン氏(日本イーライリリー社長)が、2017年に予定される薬価改定に対し薬価調査ではなく係数による補正を要望しました。その他、市場拡大再算定にも反対しています。

パトリック・ジョンソン氏

 

 

1日付で米国研究製薬工業協会(PhRMA)の新在日委員会委員長に就任したパトリック・ジョンソン氏(日本イーライリリー社長)は、21日に都内で記者会見し、来年4月に消費税増税に合わせて予定される薬価改定に対し、「薬価調査を実施せず、係数により補正することとしていただきたい」と要望した。さらに、新薬創出等加算対象品目の薬価引き下げや控除、市場拡大再算定にも反対し、「現状維持のレシピが成功のレシピ」と述べ、現行制度の維持を訴えた。

 

ジョンソン氏は、「消費増税に伴う薬価改定が行われると、国内の製薬業界にマイナスになるし、(隔年の改定から)毎年改定につながりかねないと憂慮している」と述べた。

 

PhRMAでは、今後の国内市場動向をこれまでのデータをもとに試算し、現行制度では横ばい、毎年薬価改定が実施された場合には、今後10年で30%縮小するとの結果を発表した。20年までの年平均成長率で世界市場平均が5.5%成長を見込む一方、日本市場は年マイナス2%成長になると予想。日本の世界市場シェアで見ると2012年の12%から20年には5%に低下するとした。

 

ジョンソン氏は、外資系日本法人社長の立場から毎年薬価改定が日本市場に与える影響として、「世界同時開発で日本を早期段階から参加させようとする意欲が下がる」と述べ、国際競争力の低下や、新薬承認が海外から遅れるドラッグラグにつながると指摘した。

 

来年実施予定の薬価改定についても、「改定から半年後の薬価調査で市場実勢価格を適正に把握することは困難」として、薬価調査を実施せずに消費税が導入された1989年の薬価改定と同じように、係数による補正で対応するよう提言した。

 

さらに、薬価の安定性・予見性が大事になるとして、年間販売額が大きい品目の薬価を引き下げる「特例拡大再算定」にも強く反対する立場を示した。

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出典:薬事日報

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