13年度の卒業生が大幅減‐就職先1位「薬局」変わらず
薬学教育協議会が調査
昨春卒業した薬学部6年制第3期生は、2013年度初めて全国の薬系大学73校(74学部)の全てが学生を輩出したにもかかわらず、12年度より1000人弱少ない8535人となった。卒業後の進路としては薬局へ約37%、病院には約27%が就職、一般販売業を含めると約70%が薬剤師免許を使う道を選んだ。また、薬剤師不足が指摘される中、進学が12年度の1・6%から2・9%に微増した一方、非就職者・就職未定者が5・9%から8・7%と漸増傾向にあり、薬剤師国試合格率との関係性が推察される。薬学教育協議会がまとめた「14年3月薬系大学卒業生・大学院修了者就職動向調査の集計報告」で明らかになった(表参照)
同調査は6年制第3期生を輩出した全薬系大学が回答した。卒業生総数は13年度に比べ956人減少した。男女別には男性が3463人、女性5072人だった。このうち就職したのは7516人(就職率:卒業生の88・1%)で昨年度に比べ4・1ポイント低下し、就職率は9割を切った。男女別では男性が3031人(87・5%)、女性4485人(88・4%)で、それぞれ3・7ポイント、4・7ポイントの低下となった。
就職していない人の総数は「進学」を除き、非就職者、就職未定者、その他の合計が836人(昨年度742人)と増加した。比率も5・9%から8・7%と増加、さらに12年度は2・0%であったことから、漸増傾向で就職していない人の割合は「1割」に迫る状況にあり、今後の動向が気になるところだ。
就職先の動向を見ると、最も多い就職先は「薬局」の3134人で、卒業生全体の36・7%(37・9%)と昨年度より若干減少した。このうち男性は1248人(男性卒業生の36・0%)、女性は1886人(女性卒業生の37・2%)だった。
就職先として2番目に多いのは病院・診療所(薬局)で、就職者総数は2328人(卒業生の27・3%、昨年度28・1%)であったが、実数では昨年度の2666人に比べ338人減少した。男女別では、男性は852人(男性卒業生の24・6%)で昨年度に比べ0・4ポイント上昇、女性1476人(女性卒業生の29・1%)で1・7ポイント低下した。
就職先の病院を設置主体別に見ると、国公立大学病院・独立行政法人病院および自治体管轄の病院・診療所の薬局(国公立系病院薬局)へは779人(卒業生の9・1%)が進み、就職率は昨年度の9・0%と同率だったが、実数では昨年度より78人減少した。私立大学病院薬局・一般病院・一般診療所へは1549人(18・1%)で、昨年度に比べ260人減少した。
医薬品販売業のうちドラッグストア等への就職は449人(卒業生の5・3%、昨年度7・2%)で、男性は208人(男性卒業生の6・0%)、女性241人(女性卒業生の4・8%)だった。この分野への就職率は1・9ポイント低下し、実数でも233人減となった。
試験・研究機関および大学への就職率は、男女とも昨年同様0・3%以下で、実数では44人(昨年度42人)だった。この結果について、同報告書では昨年度同様「6年制薬学部は現状では研究者養成機関として認知されているとはいえない」としている。このほか行政への就職は衛生行政に159人(昨年度202人)、その他39人(40人)だった。
研究生については全体(有給・無給)として66人(昨年度67人)で、有給・無給の内訳も36人(37人)対30人(30人)だった。進学は全体で246人(男性137人、女性109人)で卒業生に占める割合は2・9%、昨年度の148人、1・6%に比べ1ポイント程度の増加であったが、実数では1・6倍となった。
出典:薬事日報
薬+読 編集部からのコメント
薬学部6年制第3期生となる、2013年度卒業生の進路についての調査結果が発表されました。最も多い就職先は「薬局」とのことですが、就職していない人も増える傾向にあり、全体の1割に迫る状況だと伝えられています。