16年度後発品品質検査‐3成分3品目が不適合
造粒液の不均一添加など
厚生労働省は22日、後発品の品質検査を実施する2016年度の「後発医薬品品質確保対策事業」の検査結果を公表した。52成分890品目を対象に、溶出試験と定量・力価試験を実施した結果、小林化工の「パーキストン配合錠L250」など3成分3品目を不適合、1成分1品目を判断不能と評価した。不適合と判断された品目に対しては、既に都道府県が製造販売業者に必要な改善を行うよう指導している。
今回の後発品の品質検査は、国立医薬品食品衛生研究所や41都道府県、関係業界の協力を得て、16年7月から昨年3月まで実施された。参照品目として先発品49成分115品目を含むアスピリン、イブプロフェン、プロポフォールなど52成分890品目を対象に品質検査を行った結果、52成分886品目を承認書に定める規格に適合とし、3成分3品目を不適合、1成分1品目を判定不能と評価した。
具体的には、溶出試験を行った32成分596品目のうち、小林化工のパーキストン配合錠L250は、造粒工程で造粒液が均一に添加されていなかったことから、都道府県の試験で規格値を下回り、不適合と評価した。
定量・力価試験では21成分294品目を対象に行い、大興製薬の「アルベカシン硫酸塩注射液75mg『HK』」で、原薬が吸湿することで有効成分の仕込量が不足したことから、国立感染症研究所と製造販売業者の試験で力価の規格値を下回り、不適合と判断された。
日医工の「クラリスロマイシンDS10%小児用『日医工』」では、製剤の粒子径が不均一となることで容器内で含量のばらつきが生じ、複数のロットで規格値を上回ったことから不適合とした。
一方で、ニプロの「エルカトニン注40単位『NP』」については、試験時に検体の使用期限が超過していたため、判定を適切に実施できないことから判定不能と判断した。次年度以降に試験を実施する予定。
出典:薬事日報
薬+読 編集部からのコメント
後発品の品質を検査する、後発医薬品品質確保対策事業の調査結果が厚生労働省から公開され、対象である52成分890品目のうち、3成分3品目を不適合、1成分1品目を判断不能と評価しました。
小林化工のパーキストン配合錠L250は、造粒工程で造粒液が均一に添加されておらず、大興製薬の「アルベカシン硫酸塩注射液75mg『HK』」で、原薬が吸湿することで有効成分の仕込量が不足。日医工の「クラリスロマイシンDS10%小児用『日医工』」では、製剤の粒子径が不均一となることで容器内で含量のばらつきが生じ、複数のロットで規格値を上回ったことで不適合と判断されました。