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17品目を15日付で薬価収載‐「キイトルーダ」に加算なし

薬+読 編集部からのコメント

厚生労働省は2017年2月15日付で新薬11成分17品目を薬価基準に収載します。内用薬が7成分10品目、注射薬が4成分7品目となり、免疫チェックポイント阻害剤「キイトルーダ点滴静注」は、有用性加算の適用が認められずに「オプジーボ点滴静注」と同じ1日薬価となったと伝えられています。

1日薬価はオプジーボと同額

 

厚生労働省は15日付で、新薬11成分17品目を薬価基準に収載する。内訳は、内用薬が7成分10品目、注射薬が4成分7品目、外用薬はなかった。MSDの免疫チェックポイント阻害剤「キイトルーダ点滴静注」は、有用性加算の適用が認められず、薬価が半額に引き下げられた類薬の「オプジーボ点滴静注」と同じ1日薬価となった。厚労省は、オプジーボとキイトルーダの最適使用推進ガイドラインがまとまったことから、その内容を踏まえ、診療報酬明細書に施設要件やPD-L1の発現を確認した検査結果などの記載を求める留意事項通知を14日に発出、同日から適用する予定。8日の中央社会保険医療協議会総会で了承された。

 

表:新医薬品一覧表(2017年2月15日収載予定)

 

14日に留意事項通知発出

 

キイトルーダ点滴静注20mg、同100mg(MSD):ペムブロリズマブ(遺伝子組み換え)を有効成分とする免疫チェックポイント阻害剤。小野薬品の「オプジーボ点滴静注」を比較薬とし、類似薬効比較方式Iにより、オプジーボ点滴静注100mgと同20mgの規格間比で算定した。

 

企業側からは、同剤が非小細胞肺癌の1次治療で標準化学療法に対して全生存期間の有意な延長を示したこと、国内外のガイドラインで第一選択薬としての使用が推奨されていることから有用性加算IIの適用を求める不服意見が出された。

 

しかし、薬価算定組織が再検討した結果、オプジーボが腎細胞癌などの効能を取得して同剤より有用と考えられる点があること、同剤とオプジーボを直接比較した臨床試験がないことも踏まえ、優劣をつけることは難しく加算の対象にはならないと判断。当初の算定案を適用することにした。

 

薬価は、20mg0.8mL1瓶が8万4488円、100mg4mL1瓶が41万0541円。1日薬価は3万9099円とオプジーボと同額となった。予測市場規模は、ピーク時の4年目に患者数7300人、販売額544億円。

 

キイトルーダについては、PD-L1陽性であることが投与要件となっていることから、最適使用推進ガイドラインを踏まえ、コンパニオン診断薬でPD-L1陽性を確認した年月日と検査結果を診療報酬明細書に記載する必要がある。

 

テクフィデラカプセル120mg、同240mg(バイオジェン・ジャパン):フマル酸ジメチルを有効成分とする多発性硬化症治療薬。田辺三菱製薬とノバルティスファーマの「イムセラカプセル」「ジレニアカプセル」を比較薬に類似薬効比較方式Iで算定した。

 

薬価は、120mg1カプセルが2037.20円、240mg1カプセルが4074.40円。予測市場規模は、ピーク時の10年目に患者数3500人、販売額76億円。

 

リンゼス錠0.25mg(アステラス製薬):リナクロチドを有効成分とする便秘型過敏性腸症候群治療薬。原価計算方式で算定し、平均営業利益率を適用した。薬価は、0.25mg1錠が92.40円。予測市場規模は、ピーク時の10年目に患者数17万人、販売額29億円。

 

ヤーズフレックス配合錠(バイエル薬品):有効成分のドロスピレノン、エチニルエストラジオールベータデクスを配合した超低用量ピル。同社の「ヤーズ配合錠」を比較薬に類似薬効比較方式Iで算定した。

 

同配合錠は、月経困難症を対象とした国内第III相試験で主要評価項目の月経痛を伴う日数について、比較薬の28日周期法群に比べて最大124日周期法群の優越性が検証されていることから、5%の有用性加算IIの上乗せを適用した。

 

薬価は、1錠275.00円。予測市場規模はピーク時の5年目に患者数7万4000人、販売額66億円。

 

オテズラ錠10mg、同20mg、同30mg(セルジーン):アプレミラストを有効成分とする経口PDE4阻害剤の乾癬治療薬。中外製薬の「チガソンカプセル」を比較薬とし、類似薬効比較方式Iにより、チガソンカプセル10と同25の規格間比を用いて算定した。外国平均価格調整により引き上げた。

 

企業側からは、新規作用機序を持つとして、有用性加算IIの適用を求める不服意見が出されたが、薬価算定組織が再検討した結果、「臨床上有用な新規の作用機序を有することが客観的に示されているとは認められない」と判断。当初の算定案を適用した。

 

薬価は、10mg1錠が324.20円、20mg1錠が648.40円、30mg1錠が972.60円。予測市場規模は、ピーク時の10年目に患者数1万6000人、販売額75億円。

 

ジメンシー配合錠(ブリストル・マイヤーズスクイブ):有効成分のダクラタスビル塩酸塩、アスナプレビル、ベクラブビル塩酸塩を配合したジェノタイプ1のC型慢性肝炎治療薬。MSDの「エレルサ錠」「グラジナ錠」を比較薬とし、類似薬効比較方式Iにより算定した。

 

薬価は、1錠1万1528.80円。予測市場規模は、ピーク時の2年目に患者数2000人、販売額72億円。

 

ベムリディ錠25mg(ギリアド・サイエンシズ):テノホビルアラフェナミドフマル酸塩を有効成分とするB型慢性肝炎治療薬。グラクソ・スミスクラインの「テノゼット錠」を比較薬とし、類似薬効比較方式IIにより算定した。

 

薬価は、25mg1錠が996.50円。予測市場規模は、ピーク時の10年目に患者数6万3000人、販売額228億円。

 

リアメット配合錠(ノバルティスファーマ):有効成分のアルテメテルとルメファントリンを配合した抗マラリア薬。グラクソ・スミスクラインの「マラロン配合錠」を比較薬とし、類似薬効比較方式Iで算定。外国平均価格調整により引き下げた。

 

薬価は、1錠242.30円。予測市場規模は、ピーク時の2年目に患者数15人、販売額8万7000円。

 

オビドレル皮下注シリンジ250μg(メルクセローノ):有効成分のコリオゴナドトロピンアルファ(遺伝子組み換え)を含有する排卵誘発剤。MSDの「フォリスチム注300IUカートリッジ」を比較薬とし、類似薬効比較方式Iで算定した。わが国では、生殖補助医療における卵胞成熟および黄体化の効能・効果は保険適用外となることから、外国平均価格調整の対象外とした。

 

薬価は、250μg0.5mL1筒が2910円。予測市場規模は、ピーク時の10年目に患者数4万7000人、販売額1億4000万円。

 

モゾビル皮下注24mg(サノフィ):プレリキサホルを有効成分とするG-CSF製剤。原価計算方式で算定した。同剤は、自家末梢血幹細胞移植が可能となる患者が増加すること、採取に必要なアフェレシス回数の減少が示されていること、適応対象に対する新薬が長期間収載されていなかった状況などを考慮し、平均営業利益率のプラス25%を適用。さらに外国平均価格調整により引き上げた。

 

企業側からは、薬価算定組織による算定案の製品総原価が企業案を相当下回っていたことから不服意見が出されたが、同組織が再検討した結果、当初の算定案を適用することにした。

 

薬価は、24mg1.2mL1瓶が58万1972円。予測市場規模はピーク時の10年目に患者数700人、販売額9億2000万円。

 

パーサビブ静注透析用2.5mg、同5mg、同10mg(小野薬品):エテルカルセチド塩酸塩を有効成分とする血液透析下の二次性副甲状腺機能亢進症治療薬。協和発酵キリンの「レクパラ錠」を比較薬とし、類似薬効比較方式Iにより、レクパラ錠25mgと同75mgの規格間比を用いて算定した。

 

企業側からは、同剤と比較薬について、1日通常最大単位数量を国内臨床試験の実使用量を用いて算定するよう求める不服意見が出されたが、薬価算定組織で再検討した結果、当初の算定案通りに通常最大用量を用いた1日薬価合わせが適切と判断した。

 

薬価は2.5mg2mL1瓶が873円、5mg2mL1瓶が1283円、10mg2mL1瓶が1885円。予測市場規模はピーク時の5年目に3万3000人、販売額63億円。

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出典:薬事日報

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