18年度改定骨子まとめる‐基準加算廃止、薬歴料見直し
中央社会保険医療協議会は12日、2018年度診療報酬改定の基本方針や改定率について、加藤勝信厚生労働相から諮問を受け、これまでの議論の整理を改定の骨子としてまとめた。かかりつけ薬剤師の機能を評価するため、地域医療に貢献する薬局の夜間・休日対応等の実績を踏まえた評価を新設し、基準調剤加算を廃止すると共に、薬剤服用歴管理指導料の評価見直しなど対人業務の評価を充実させる。一方、大型門前薬局、敷地内薬局の評価をさらに適正化することなどを盛り込んだ。中医協は今後、パブリックコメントや19日の地方公聴会で医療現場や国民の意見を聴き、今月下旬から個別の点数配分の議論に入る。
骨子では、かかりつけ薬剤師の取り組みを推進させるため、かかりつけ薬剤師指導料の同意取得時に必要性の確認を要件とし、併せて同意取得の様式を整備。同指導料の算定実績がある薬局に関する調剤基本料の特例除外を見直すと共に、地域医療に貢献する薬局について、夜間・休日対応等の実績を踏まえた評価を新設し、基準調剤加算を廃止するとした。
薬剤師・薬局による対人業務の評価では、薬剤総合評価調整加算を算定する医療機関と連携し、医薬品の適正使用に関する取り組みを調剤報酬で評価する。薬剤服用歴管理指導料については、適切な手帳の活用実績を要件とし、その要件に応じた評価に見直すと共に、薬歴に次回の服薬指導の計画を追加するなどの見直しを行う。内服薬の調剤料の評価を見直すと共に、対人業務に関する薬学管理料を充実させるとした。
医薬品の適正使用の推進では、長期処方や残薬に関する疑義照会の取り扱いを見直すほか、長期処方の分割指示の取り扱いを見直すとした。
そのほか、薬剤総合評価調整加算の評価対象に地域包括ケア病棟入院料を追加し、感染防止対策加算について抗菌薬適正使用支援チームの取り組みに関する加算を新設。働き方改革関連では、常勤薬剤師の週当たりの勤務時間の要件について、育児・介護時の例外的な取り扱いを調剤報酬で明確化する。
一方、薬局での後発品調剤体制加算の要件見直しに加え、門前薬局の評価の適正化では、現行の調剤基本料の特例対象範囲を拡大すると共に、特に大型門前薬局の評価をさらに適正化するとした。
出典:薬事日報
薬+読 編集部からのコメント
2018年度診療報酬改定の基本方針や改定率について、中央社会保険医療協議会が骨子をまとめました。
地域医療に貢献する薬局への評価を新設・基準調剤加算を廃止、対人業務の評価を充実させる方向です。
大型門前薬局、敷地内薬局の評価をさらに適正化することも盛り込まれました。