186億円で米ベンチャー買収‐新規癌免疫療法薬を獲得
アステラス製薬は14日、米国バイオ企業「ポテンザ・セラピューティクス」を買収した。癌免疫療法薬の獲得が狙いで、2015年にポテンザとの独占的研究開発契約に基づき、アステラスが同社を買収する独占的オプション権を行使した。ポテンザを完全子会社化する対価として1億6460万ドル(約186億円)を支払い、臨床開発段階にある複数のプログラムの進捗に応じて最大で総額2億4010万ドル(約272億円)の買収額に達する可能性がある。臨床開発段階にある三つの癌免疫療法薬を獲得し、癌領域の製品ポートフォリオを強化したい考えだ。
ポテンザは14年に設立し、従業員は19人。アステラスは15年からポテンザと共同研究を開始し、ポテンザが保有する免疫刺激や、免疫チェックポイント阻害、制御性T細胞機能を標的とした新規作用機序のシーズを導入することで、3種類の新薬候補プログラムを創出した。
免疫チェックポイント阻害薬の抗TIGIT抗体「ASP374/PTZ-201」、制御性T細胞機能阻害薬の抗NRP1抗体「ASP1948/PTZ-329」で第I相試験を実施し、T細胞プライミング・共刺激薬のGITR作動性抗体「ASP1951/PTZ-522」では臨床試験開始申請が承認されている。
アステラスでは、今回の共同研究の成果に基づき、共同研究契約締結時に獲得していたポテンザを買収する独占的オプション権を行使した。既存の癌免疫療法で十分な効果が得られない患者に対し、臨床段階にある複数の新規癌免疫療法プログラムと、アステラスが保有する抗癌剤との併用療法も検討していく方向だ。
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出典:薬事日報
薬+読 編集部からのコメント
アステラス製薬は、米国のポテンザ・セラピューティクスを186億円で買収。臨床開発段階にある三つの癌免疫療法薬を獲得しました。ポテンザは、14年に設立されたバイオ企業で、従業員は19人、この買収でアステラスの完全子会社となります。