医療費

19年度薬価改定、あくまで消費税対応‐樽見保険局長、4月前倒し実施に否定的

薬+読 編集部からのコメント

厚生労働省・保険局長は、来年4月の薬価引き下げについて、「あくまで消費税率引き上げへの対応」とし、薬価改定をフルで行うのとは違うのでないかとコメントしました。

厚生労働省保険局の樽見英樹局長は、専門紙の共同会見で、2019年10月に予定される消費税率10%への引き上げに対応するための薬価改定の実施時期について、「あくまで消費税率引き上げへの対応」であるため、「来年4月の頭から市場実勢価に合わせた改定をフルで行うというのは違うのではないか」との認識を示した。

 

16年12月の「薬価制度の抜本改革に向けた基本方針」では、2年に1回の薬価調査に加え、その間の年にも調査を行い、価格乖離の大きな品目については薬価改定を行うことが明記されているほか、17年の「薬価制度の抜本改革」では、18~20年度まで3年間継続して全品目を対象とした薬価改定を行う方針が示されている。

 

樽見氏は、「今年は診療報酬と合わせて薬価を改定したが、来年は消費税が上がるということで改定を行う」とし、19年度薬価改定はあくまで消費税率引き上げに伴うものであることを強調した。

 

来年度の薬価改定時期をめぐっては、今年9月の薬価調査の結果を踏まえ、19年4月に前倒しで薬価を引き下げ、同年10月に消費税対応分を上乗せすべきとの声も一部から上がっているが、樽見氏は、「薬価・診療報酬改定の間の年であるにもかかわらず、なぜやるかというと『消費税が上がって、その対応をしなければいけない』というのが関係者の共通理解だ」と説明。

 

今年9月の薬価調査の結果をもとに来年4月に薬価を引き下げることについては、「関係者の理解が得られない」とし、「そもそも来年の薬価改定を行う趣旨からすると、それは違うのではないか」との認識を示した。引き下げの手法や時期などについては今後、中央社会保険医療協議会で議論を進めるとした。

 

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出典:薬事日報

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