認定更新時に試験導入~21年度から新制度で
MR認定センターは2021年度から施行する新制度で、MR認定証の5年ごとの更新時にMRテキストの範囲である基礎教育の習得度を確認するため、満点を取れるまで繰り返し実施するドリル形式のテストを新たに導入する。現在は定められた必須時間で企業が行う基礎教育を受講していれば自動的に更新できるが、新制度では必須時間を撤廃し個人学習に任せることから、更新時に学習成果の確認が必要と判断した。
現行制度は、MRに認定証が交付された後、合計40時間の基礎教育と実務教育で構成された継続教育を5年間受けることで認定証が更新される。
一方、21年度からの新制度では、継続教育で定めている基礎教育を個人学習で対応し、定められている必須時間を撤廃する。また、医療に関わる人材としての倫理観や製薬企業の社員としての遵守事項を学ぶ倫理教育が基礎教育から撤廃され、実務教育に含まれる形となる。
これにより、継続教育ではMR認定試験の出題範囲となっているMRテキストの個人学習を「基礎教育」、倫理教育、安全管理教育、技能教育、実地教育、製品知識などを含めたものを「実務教育」と位置づける。
その上で、MR認定証の更新時には、基礎教育の中から出題されるドリル形式のテストを受け、満点を取るまで繰り返し、満点を取って更新できる制度へと移行する。
同センター事務局長の近澤洋平氏は8月31日、都内で開催した教育研究責任者会議で、新制度では基礎教育のみの学習成果の確認にとどまっていることを指摘した上で、「実務教育を充実させる必要があり、倫理教育や安全管理教育については、何らかの補完方法を考えなければいけない」と述べ、各企業の実務教育をセンターとしてどのように支援していくか検討する方針を示した。
出典:薬事日報
薬+読 編集部からのコメント
現行では交付後に合計40時間の基礎教育と実務教育で構成された継続教育を5年間受けることで更新されていたMR認定証ですが、2021年度から施行の新制度で大きく変化します。まず基礎教育の習得度を確認するため、満点を取れるまで繰り返し実施されるドリル形式のテストを新たに導入。また倫理教育が基礎教育から撤廃され、実務教育に含まれる形へと変更。今後は認定試験の出題範囲となるMRテキストの個人学習が「基礎教育」、倫理・安全管理・技能・実地・製品知識などを含めたものが「実務教育」と位置づけられます。