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創薬研究をAIで後押し~インテージヘルスケアと武田薬品が共同検証開始

薬+読 編集部からのコメント

理論創薬研究所、アフィニティサイエンスと創薬支援サービスを共同展開してきたインテージヘルスケアが、AI(人工知能)を用いた創薬支援事業の強化に乗り出します。すでに3社は昨年10月から武田薬品の研究開発プロジェクトで共同検証をスタート。AI技術によって、膨大な時間と予算がかかる製薬企業の創薬研究をバックアップし、製造販売後調査や臨床開発に続く事業の柱として、製薬企業向けの受託サービスを強化したい考えです。

インテージヘルスケアは、人工知能(AI)を用いた創薬支援事業の強化に乗り出す。理論創薬研究所やアフィニティサイエンスと共同してAI創薬プラットフォームを武田薬品に提案し、昨年10月から武田の研究開発プロジェクトで共同検証を開始した。製薬企業の創薬研究をAI技術で後押しし、製造販売後調査や臨床開発に続く事業の柱として、製薬企業向けの受託サービスを強化したい考え。将来的には化合物合成に強い企業と連携し、新規化合物の特許取得も目指す。


同社と理論創薬研究所、アフィニティサイエンスは、創薬計算サービスやインシリコ創薬戦略コンサルティングなどの創薬支援サービスを共同で展開してきた。昨年からはディープラーニングなどのAI技術を用いた化合物の構造生成技術を既存のソフトウェアと連携させ、創薬AIプラットフォームを提案している。

 

今回、武田薬品が進める三つの創薬テーマに対し、AIを活用したプロセスの実証実験を開始した。まず、一般公開されている化合物データベースと武田薬品が保有する化合物データベースをAIに学習させ、新規性と合成容易性を併せ持つ新規化合物構造を生成。そこで得られた化学構造はファーマコフォアモデルによる活性スコアの判定と有機合成化学者の知見を組み合わせ、最適な化学構造に絞り込む。

 

化学構造を特定した後は、膨大な実験データから機械学習によるアプローチで約1300の標的蛋白質に対する活性を網羅的に予測し、標的分子への選択性を評価することで、創薬の意思決定に役立てる。

 

インテージヘルスケアでは武田薬品に加え、国内創薬ベンチャー1社からも化合物設計を受託している。自社でも実証実験も実施しており、そこで得た結果から技術の詳細を製薬企業と共有し、フィードバックを得ることでAI創薬プラットフォームを進化させる方向だ。

 

インテージヘルスケア創薬支援部長の村上竜太氏は、「計算科学のCROを目指したい。当社では臨床開発や製販後調査でCROのバリューチェーンを持っており、そこで保持しているデータを軸に創薬支援サービスへとつないでいきたい」と話す。

 

将来的には、自社で化合物設計を行い、合成に強い他社と連携することにより、新規構造の化合物を取得する成功報酬・マイルストン型の事業展開も目指していく。

 

 

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出典:薬事日報

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