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新型肺炎薬の早期発見へ~半年以内に既承認薬同定

薬+読 編集部からのコメント

新型コロナウイルスの世界的な拡大が続く中、治療薬の早期発見を目指して北里研究所が「COVID-19対策北里プロジェクト」を始動しました。2021年3月末までの今後1年間を研究実施期間とし、主に製薬企業から約2億円の寄付を募ってプロジェクトを実施する計画。COVID-19患者の検体に含まれるウイルス「SARS-CoV-2」を分離し、ウイルスに対して国内外で承認されている抗ウイルス薬の大規模スクリーニングを行い、遅くとも半年以内で新型コロナウイルスに効果があると思われる治療薬を突き止める考えです。

■北里研がプロジェクト

北里研究所は、新型コロナウイルス感染症に対する治療薬を早期に発見するため、「COVID-19対策北里プロジェクト」を始動した。研究実施期間は来年3月末までの1年間で主に製薬企業から約2億円の寄付を募ってプロジェクトを実施する。国内外で承認されている抗ウイルス薬の大規模スクリーニングを行い、遅くとも半年以内で新型コロナウイルスに効果があると思われる治療薬を突き止める。さらにプロジェクトで得られた研究成果に基づき、3年以内にSARSやMERSを含めたコロナウイルスに効くリード化合物を見出したい考えである。


北里研は、感染症治療で多大な功績を残した北里柴三郎氏が建学し、大村智教授がノーベル生理学・医学賞を受賞するなど感染制御の取り組みに力を入れてきた。感染制御では国内屈指の研究資源を持っており、新型コロナウイルスの世界的な拡大が続く中、治療薬の早期発見を目指したプロジェクトを立ち上げることになった。

 

同プロジェクトでは、COVID-19患者の検体に含まれるウイルス「SARS-CoV-2」を分離し、ウイルスに対して国内外で承認されている抗ウイルス薬のスクリーニングを大規模に実施する。

 

北里大学医学部・北里大学病院、北里生命科学研究所が部門横断的にプロジェクトを進める方針で、3~6カ月程度で救命可能な承認薬を見出す。次の段階では、MERSやSERS、新型コロナウイルスに効くリード化合物を3年以内に見出し、その後は製薬企業との連携を通じて、実用化を目指す。

 

プロジェクト代表者には北里生命科学研究所感染制御研究センターの花木秀明センター長が就き、北里大学医学部・北里大学病院のプロジェクト責任者は膠原病・感染内科学の山岡邦宏教授、北里生命科学研究所のプロジェクト責任者はウイルス感染制御学の片山和彦教授が務める。初期は20人程度の研究メンバーで始動するが、その後は30人程度まで拡大する予定。

 

プロジェクトの実施に当たっては、国の助成金や内部資金は使わず、主にプロジェクトの趣旨に賛同した製薬企業からの寄付金でプロジェクトを推進していく予定。

 

目標金額としては約2億円を計画している。

 

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出典:薬事日報

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