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【製薬各社が入社式】新入社員の積極性に期待~新型肺炎でオンライン開催も

薬+読 編集部からのコメント

新型コロナウイルスが猛威をふるう未曽有の事態の中、医療機関と同様、カギを握りつつ、その渦中にもある製薬各社が4月1日に入社式を行いました。今年度は集合形式での実施を取りやめ、自宅などからパソコンを使用して参加するオンライン形式での入社式を開催する企業も多く見られましたが、薬事日報社ではそんな国内製薬11社による入社式をレポートしています。

製薬各社は1日、入社式を行った。今年度は新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、集合形式での実施を取りやめ、自宅などからパソコンを使用して参加するオンライン形式での入社式を開催する企業も多く見られた。各社トップからは「グローバルで活躍できる人材」「チャレンジ精神を持った人材」「顧客からの信頼を勝ち取れる人材」といった人材像が提示され、新入社員の積極的な行動に期待するメッセージが発信された。

■武田薬品

武田薬品のクリストフ・ウェバー社長CEOは、49人の新入社員に対し、「われわれは、グローバルなバイオ医薬品のリーディングカンパニーとしてCOVID-19の感染抑制に貢献する責任がある」と強調。家族、患者、地域社会などに対しても可能な限り支援を行う重要性を説き、「誠実:公正・正直・不屈」を企業理念とする“タケダイズム”に則った行動を求めた。

■中外製薬

中外製薬は、グループ会社全体で138人を採用した。奥田修社長COOは、新入社員と共有する価値観として、「患者中心」「フロンティア精神」「誠実」の三つのキーワードを挙げた上で、「自分の行動全てが患者さんや社会に対して公明正大であり、自信を持って説明できること。これが社会との共有価値創造を目指すわれわれの『信頼』となることを肝に銘じてほしい」と激励した。

■第一三共

第一三共の眞鍋淳社長は、癌に強みを持つ先進的グローバル創薬企業の実現を目指す「2025年ビジョン」に向け、「グループ事業を大きく変革していく強い意志を込めて『トランスフォーメーション』をキーメッセージにしている」と述べた。日米で承認を取得した抗体薬物複合体(ADC)「エンハーツ」を癌事業の中核と位置づけ、「われわれのADCテクノロジーに対する内外の評価はかつてないほど高まっている。これから担当する業務で変化をいち早く感じ取り、自ら変革・改善することを心がけてほしい」と訓示した。

■大塚ホールディングス

大塚ホールディングスの樋口達夫社長兼CEOは、世界31カ国・地域で事業展開を進める中、「大塚グループの一員としてスタートラインに立った皆さんの目の前には、既に“世界”という舞台が用意されている」と述べた。「時には想像を超える困難に出会うこともあるだろうが、様々な変化に気づき、課題の本質を見極め、解決に向けた実行に果敢に挑戦できる人材に育ってほしい」と要請した。

■エーザイ

エーザイの内藤晴夫社長兼CEOは、ビジネスで成功するために今後なすべきこととして「事前準備」「失敗を恐れないこと」の2点を挙げた上で、「信頼の獲得こそがビジネスの基本だ」と語った。患者や当事者から信頼を得るためには、一緒に時間を過ごして「共感」を得ることやそのための戦略を策定し、実行に移す必要性を挙げた。「このサイクルを回すことがわれわれの原点になる。ビジネスの第一線で皆さんの知恵や経験、バイタリティをいかんなく発揮して活躍されることを期待している」とのメッセージを送った。

■田辺三菱製薬

田辺三菱製薬の上野裕明社長は、「変化が激しいこの時代では想像力、先読みが大切になる。安易に前例に従わずにまずは自身の頭で考えてほしい」と社員発アイデアを求めた。

「視点を世界規模に向けてほしい。世界を相手に競争しており、グローバルで仲間を見つけることが重要になる」と述べたほか、失敗を恐れないチャレンジも促した。

■大日本住友製薬

大日本住友製薬は66人の新入社員を採用した。野村博社長は、精神神経領域、癌領域、再生・細胞医薬分野で「グローバル・スペシャライズド・プレーヤー」になるとの目標に向け、実施したロイバントとの戦略的提携で「開発パイプラインやデジタルテクノロジーのプラットフォームに加え、これらに関係した人材を獲得した」と強調。「この提携により得られたデジタルプラットフォームは、われわれをデータ駆動型製薬企業へ変革することにつながる。『グローバル・スペシャライズド・プレーヤー』に成長することを先輩諸君と共に達成しよう」と呼びかけた。

■協和キリン

協和キリンの宮本昌志社長は、「現在、われわれはグローバルな成長に向かう転換期であり、中長期的には日本を含めてさらなる成長を目指している」と強調。時には過去の成功経験を捨てて変化し続けることも重要とし、新入社員に対しては「フレッシュな感覚でモノを判断できる理想的な人材であるため、力を存分に発揮してほしい」と期待を寄せた。

■アステラス製薬

アステラス製薬の安川健司社長CEOは、デジタル・工学技術の進歩により、異業種との融合が増えた製薬企業を取り巻く環境に対して、「過去の知識や技術にこだわらず、『進化』することを念頭に置かなければ、劇的に変化する時代の波に取り残されてしまう」と変革の必要性を説いた。「過去の成功から来る今の価値だけに縛られず、新しいことに積極的に目を向けて時代を先取っていくことが必要。若い人たちの叡智に大いに期待している」と語った。

■塩野義製薬

塩野義製薬の手代木功社長は、110人の新入社員に対し、新型コロナウイルス治療薬の開発に挑む決意を表明した。「ウイルスとの戦いは永遠に続くものであると考えているため、われわれは『必要とされている会社』であると確信している」とし、「創薬の方法論や患者への診断・薬効の評価がAIをはじめとする最新技術により大きな転換期を迎えている。シオノギの142年の伝統を受け継ぎつつ、若い力、新しい発想で、次の時代のシオノギを作ってほしい」と期待感を示した。

■日本新薬

日本新薬は67人の新入社員を迎え、京都市南区にある本社講堂で入社式を行った。前川重信社長は、昨年10月に創立100周年を迎え、昨年度から開始した第6次中期計画について、「日本を含めたグローバルで存在意義のある企業となるためにも、皆さんのエネルギーが必要になる。共に力を合わせて、次の100年である200年企業を目指す礎を築いてくれることを大いに期待している」と語った。

 

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出典:薬事日報

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