河野規制改革相、OTCの規制見直し言及~薬剤師配置時間を緩和か
規制改革推進会議医療・介護ワーキンググループは21日、検討課題である「医薬品提供方法の柔軟化・多様化」について日本フランチャイズチェーン協会からOTC医薬品に関する要望をヒアリングした。同協会は、薬剤師や登録販売者によるOTC薬の対面販売、販売時間規制が医薬品を必要とする患者の利便性を損なうと提言した。河野太郎規制改革相は「規制で決める必要はなく、どれだけの時間、配置して販売するかは各店舗で判断すべき」と規制の見直しに言及した。
この日の会合で厚生労働省は、OTC薬の販売においては薬剤師・登録販売者による管理体制が必要になり、利用者が安心して医薬品を購入できる体制として、開店時間のうち半分以上の時間は薬剤師・登録販売者の配置を求めていることを説明した。
これに対し、同協会は、薬剤師や登録販売者が在籍しない店舗では在庫ができず、深夜・早朝などに緊急で医薬品が必要となった場合には入手しにくい問題を提起。「受付センター」にいる薬剤師等の有資格者が遠隔で患者の相談を受けた上でOTC薬を販売し、在庫のある最寄り店舗で医薬品を受け取る仕組みを提案した。
営業時間の半分以上にわたり薬剤師等を配置する必要がある現在の規制に対しても、営業時間に関わらず販売時間を一定にすることで、24時間営業のコンビニ等での販売拡大につながる可能性があるとした。
河野氏は、薬剤師等の配置時間に関する規制について「営業時間の半分以上ということを規制で決める必要はないのではないか。どれだけの時間にわたって有資格者を置いて販売するかは、各店舗で判断すべき話」との考えを示した。
薬剤師等による実地管理の安全性に関しては、「有資格者が説明、管理しないといけないケースが具体的にどれくらいあり、どの程度ニーズが存在するか把握する必要がある」と述べ、これらを把握した上で議論すべきとした。
大石佳能子座長(メディヴァ代表取締役社長)も、「どのような経緯で現在の制度ができたかは別として、ゼロベースで考えていく必要がある」と述べた。
一方、この日のWGでは、重点課題の一つであるオンライン服薬指導の普及促進について、厚労省が今後の対応方針を説明した。
新型コロナウイルス感染症対策として、初診患者にもオンライン服薬指導が可能とする特例措置が適用されているが、厚労省は、特例措置の効果や課題の検証結果を踏まえた上で、安全性や信頼性を担保できるよう現在のルール見直しを進めるとした。
特例措置の利便性を念頭に、委員からは「仮に制約をかける必要があるならば、どのようなものか。制約をかける必要はないのではないか」と指摘があったほか、「薬局の外でも服薬指導できる形も検討に値する」「オンライン服薬指導が広まれば、ポリファーマシーのチェック、是正にも有効に機能する」などの意見が上がった。
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出典:薬事日報
薬+読 編集部からのコメント
「医薬品提供方法の柔軟化・多様化」を検討課題とする規制改革推進会議医療・介護ワーキンググループは10月21日、日本フランチャイズチェーン協会からOTC医薬品に関する要望をヒアリングしました。厚労省側は、OTC薬の販売においては薬剤師・登録販売者による管理体制が必要になり、利用者が安心して医薬品を購入できる体制として、開店時間のうち半分以上の時間は薬剤師・登録販売者の配置を求めていることを説明。これに対し、同協会は、薬剤師や登録販売者が在籍しない店舗では在庫ができず、深夜・早朝などに緊急で医薬品が必要となった場合には入手しにくい問題を提起しています。河野規制改革相は「規制で決める必要はなく、どれだけの時間、配置して販売するかは各店舗で判断すべき」と規制の見直しに言及しました。