MTX過剰投与で骨髄抑制~薬剤師は服用方法説明を
医療安全情報
日本医療機能評価機構は、休薬期間が必要な抗リウマチ薬「メトトレキサート」の過剰投与により、骨髄抑制を来した事例を「医療安全情報」で紹介。薬剤師に対し患者に服用方法を毎回確実に説明すると共に、患者に説明する場合は、服用方法に関する説明用紙などを活用するよう注意喚起した。
休薬期間が必要なメトトレキサートを連日服用し、患者が骨髄抑制を来したなど影響があった事例は7件。具体的には、関節リウマチの70代患者に「リウマトレックスカプセル」が初めて処方され、医師は患者に週1回服用する薬剤であることを説明したが、処方入力時のコメントに「週1回○曜日内服」と記載することを忘れた。
保険薬局の薬剤師は、医師から服用方法の説明を受けたと患者から聞き、処方箋に記載されている用量のみを説明して渡したが、薬剤の包装シートに服用日は記載していなかった。患者は7日間連日服用し、2週間後に軽度の肝障害と汎血球減少のため緊急入院したというもの。
また、別の事例では、70代患者が関節リウマチのため12年前からメトトレキサートを服用していたが、医師は「メトトレキサートカプセル2mg」を週1回8週間分院内処方し、処方箋に「毎週日曜日朝食後内服」とコメントを記載した。
薬剤師は、薬袋に赤色で「日曜朝」と記載することになっていたが、記載するのを忘れた。患者は認知症で家族が薬剤の管理をしており、薬袋に曜日の記載がなかったため、毎日服用するものと思い込み、患者に連日服用させた。その後、患者は骨髄抑制を来して入院した。
こうした事例が発生した医療機関に対し、同機構はメトトレキサートを処方する場合、医師は「週○回○曜日」を入力するほか、薬剤師は調剤する際に医師の指示を確認し、「週○回○曜日」を薬袋に記載し、患者に休薬期間が必要であることを説明して服用日を明確に伝えるよう注意喚起した。
また、メトトレキサートは連日服用すると危険性が高いため、薬剤師に対し患者に服用方法を毎回確実に説明すると共に、患者への説明時には薬剤の服用方法に関する説明用紙などを活用するよう求めた。
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出典:薬事日報
薬+読 編集部からのコメント
休薬期間が必要な抗リウマチ薬「メトトレキサート」の過剰投与により、骨髄抑制を来した事例を、日本医療機能評価機構が「医療安全情報」で紹介しました。メトトレキサートを連日服用し、患者が骨髄抑制を来したなど影響があった事例は7件。具体的には、関節リウマチの70代患者に「リウマトレックスカプセル」が初めて処方され、医師が週1回服用する薬剤であることを患者に説明しましたが、処方入力時のコメントに「週1回○曜日内服」と記載することを忘れていました。薬剤師に対し患者に服用方法を毎回確実に説明すると共に、患者に説明する場合、服用方法に関する説明用紙などを活用するよう注意喚起しています。