薬剤師会

学内にPCRセンター設置~陰性証明で実習先の不安解消

薬+読 編集部からのコメント

武庫川女子大学(兵庫県西宮市)が11月2日、西宮市内の薬学部校舎内に新型コロナウイルスのPCR検査センターを設置しました。薬学部が研究用に持つリアルタイムPCR装置1台を導入し、薬学部の教員ら5人で検査する体制を整備。実習先から学生の感染を不安視して実習が延期されるケースなどがあったため、大学として対応することを決め、希望者のうち、無症状の学生全員を対象に検査を実施。検査費用の大部分は大学が負担し、初回は無料で、2回目以降は、実習などを理由に何度も検査する必要がある学生は2000円、それ以外は4000円ほどを予定しています。11月中旬をメドに試験稼働を始め、来年1月から本格稼働する見通しです。

武庫川女子大学は2日、新型コロナウイルスのPCR検査センターを西宮市にある薬学部校舎内に設置した。同大学の学生を対象に安価で迅速な検査を実施する。今月中旬をメドに試験稼働を始め、来年1月から本格稼働する見通し。実習先から学生の感染を不安視して実習が延期されるケースなどがあったため、大学として対応することを決めた。既に薬系大学では、昭和大学などがPCRセンターを設置し、学生の検査にも対応している。

 

同センターの広さは約265m2で、検体採取用の2部屋と検査用の1部屋を設置。薬学部が研究用に持つリアルタイムPCR装置1台を導入し、薬学部の教員ら5人で検査する体制を整える。

 

希望者のうち、無症状の学生全員を対象に検査を実施する。簡単な健康チェックの後、一定の人数枠で約10分の教育講演を行い、新型コロナウイルス感染症への理解を促す。その後、医師立ち会いのもと、学生自身に専用キットで検体となる唾液を採取してもらう。検査自体を30分ほどで終え、結果判明や陰性証明書の発行までは2日ほどを見込んでいる。

 

検査費用の大部分は大学が負担し、初回は無料。2回目以降は、実習などを理由に何度も検査する必要がある学生は2000円、それ以外は4000円ほどを予定する。これまで実習先から陰性証明書の発行を求められたケースが数件ほどあり、学生は数万円の検査費を自費で負担していた。

 

10月29日に開いた記者会見で、瀬口和義学長(画像)は「教育学部や薬学部、看護学部などほとんどの学部学科が学外実習を必須としているが、実習先が少し感染への不安を持っている。陰性証明書の発行や実習延期を求める声なども聞かれたため、PCRセンターを学内に開設し安価で迅速に対応できる体制を整えた」と経緯を説明した。

 

薬学部では、実習先で新型コロナウイルス感染者が確認されたため、実習が一時中止されるなどといったケースが病院と薬局で計6件あった。陰性証明書が発行されない場合、学生の受け入れを一時中断する施設もあるという。

 

篠塚和正薬学部長は、「陰性証明書がない場合、1週間ほど実習が止まってしまい、その後の実習教育の日程に支障を来す可能性がある。検査から2日ほどで陰性証明書を発行し、ロスを少なくしたい」と話した。

 

今月中旬から薬学部の教員を検査対象に試験稼働を始める。安全性や効率性、精度の高い検査プロセスを確立した後、12月からは薬学部の学生を優先的に検査する。1日の検査能力を数十件から数百件まで段階的に引き上げ、来年1月から本格稼働を開始。将来的には地域の学校や自治会などからの検査要望にも応える考え。

 

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出典:薬事日報

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