約7割が「接種したい」~コロナワクチンで意識調査
日本感染症学会と日本環境感染学会が感染症に関する意識調査を行ったところ、新型コロナウイルス感染症のワクチンが仮にあった場合、「接種したい」と回答した人が約7割に上ることが明らかになった。新型コロナウイルス以外のワクチン接種を希望する人も約7割となった。一方、コロナ流行後に他の感染症のワクチンを接種した人は約8%にとどまった。
調査は、新型コロナウイルス感染拡大後に発生・流行する可能性のある様々な感染症に対する意識を調べるために実施したもの。10月に首都圏在住の20~60代の男女1000人を対象にウェブ上でアンケートを行った。
ワクチン接種への意識を見ると、接種を感染症の予防手段の一つとして考えている人は65.9%で、新型コロナウイルスに対するワクチンが仮にあった場合に接種したいと回答した人は「とても受けたい」30.2%、「やや受けたい」39%と、接種したい人が約7割を占めた。
コロナ以外の感染症に対するワクチンについても、発症や重症化が防げるのなら「とても受けたい」23.3%、「やや受けたい」45.8%と約7割が接種に肯定的な考えを示した。
ただ、コロナ流行後に他の感染症のワクチンを接種した人は8.3%にとどまり、「検討したが、接種していない」30.8%で、60.9%は接種を検討していなかった。
接種した、または接種を検討した感染症として、インフルエンザが82.4%で最も高かったものの、風疹10%、麻疹8.2%、おたふくかぜ3.6%、水痘3.3%と低かった。
接種を検討しなかった理由として、「効果があるか分からない」25.5%、「接種に不安を感じる」24.1%、「費用がかかる」23.0%の順に多かった。
調査結果を受け、東京大学医科学研究所先端医療研究センターの四柳宏教授は「インフルエンザを除いた感染症に対するワクチン接種の実施・検討率は総じて低いことが明らかになった。接種を済ませておくことも重要な予防手段の一つで、様々な感染症のリスクを低減するためには、一人ひとりの予防意識と備えが大切」とコメントした。
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出典:薬事日報
薬+読 編集部からのコメント
新型コロナ感染拡大後に発生・流行する可能性のある様々な感染症に対する意識を調べるために、日本感染症学会と日本環境感染学会が「感染症に関する意識調査」(※10月に首都圏在住の20~60代の男女1000人を対象にウェブ上で実施)を行ったところ、仮に新型コロナ感染症ワクチンがあった場合、約7割の人が「接種したい」と回答しました。一方、コロナ流行後に他の感染症のワクチンを接種した人は約8%にとどまっています。接種した、または接種を検討した感染症として、インフルエンザが82.4%で最多だったものの、風疹は10%、麻疹が8.2%、おたふくかぜ3.6%、水痘3.3%と接種率が低かったことも今後の懸念材料となりそうです。