2021年度薬価改定、薬価算定基準の見直し案を了承~中医協総会
中央社会保険医療協議会は1月13日の総会で、「令和3年度(2021年度)薬価改定に係る薬価算定基準の見直しについて(案)」を了承した。昨年12月に決定した薬価改定の骨子案に沿った内容。それによると、既収載品の薬価改定は、市場実勢価格と薬価の乖離率が、薬価調査の平均乖離率(8.0%)の8分の5倍(=0.625倍、乖離率5%)を超える価格乖離の大きな品目を対象に実施する。改定後の新薬価は、市場実勢価格の加重平均値(税抜き)に消費税と調整幅(改定前薬価の2%に相当する額)を加える通常の算定式に、さらに改定前薬価の0.8%に相当する額(=一定幅)を上乗せして算出。新型コロナウイルスの影響を考慮した特例として、薬価の下げ幅を0.8%分緩和する。
このほか、実勢価改定と連動する薬価算定ルールを適用し、▶基礎的医薬品の薬価維持、▶最低薬価の維持、▶新薬創出・適応外薬解消等促進加算(加算のみで累積加算額の控除は適用しない)、▶後発医薬品の価格帯集約―を併せて行う。
■不妊治療の保険適用、夏ごろから議論を開始
また、この日の総会には、不妊治療の保険適用の検討スケジュールも示された。社会保障審議会医療保険部会が昨年12月23日に議論の整理を取りまとめたものを受けた対応。3月末を目処にまとまる実態調査の結果や、関係学会が夏ごろに完成させるガイドラインの内容を踏まえて、中医協においても夏以降、議論を重ね、22年4月からの保険適用を目指す。
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出典:薬事日報
薬+読 編集部からのコメント
「2021年度薬価改定に係る薬価算定基準の見直しについて(案)」が了承され、2021年度薬価改定の具体的な改定内容の方針が示されました。市場実勢価格と薬価の乖離率が、薬価調査の平均乖離率(8.0%)の8分の5倍(=0.625倍、乖離率5%)を超える価格乖離の大きな品目を対象に実施され、新薬価は、市場実勢価格の加重平均値(税抜き)に消費税と調整幅(改訂前薬価の2%に相当する額)を加える通常の算定式に、さらに改訂前薬価の0.8%に相当する額(=一定額)を上乗せして算出するとしています。新型コロナの影響を考慮した特例として、薬価の下げ幅が0.8%分緩和されることとなります。