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武田が国内最高の6位に~医薬品アクセスランキング

薬+読 編集部からのコメント

低中所得国の貧困層を対象とした医薬品アクセス向上に取り組む製薬企業をランキング化した2021年度版の「医薬品アクセスインデックス」で、英グラクソ・スミスクライン(GSK)が首位に。日本企業でトップ10入りしたのは6位の武田薬品のみでした。武田はアクセス関連の目標達成のための報酬制度導入が高評価。11位のエーザイは、顧みられない熱帯病の撲滅に対する取り組みや医薬品の寄付で引き続き実績を上げています。なお14位がアステラス製薬、16位が第一三共となっています。

低中所得国の貧困層を対象に医薬品アクセス向上に取り組む製薬企業をランキング化した2021年度版の「医薬品アクセスインデックス」で、英グラクソ・スミスクライン(GSK)が首位となったことが明らかになった。2位以下にはスイス・ノバルティス、米ジョンソン・エンド・ジョンソン、米ファイザーが続いた。日本企業でトップ10に入ったのは6位の武田薬品のみだった。

 

同インデックスは、医薬品アクセス財団が低中所得国106カ国に医薬品を提供する有力製薬企業20社を対象としたランキング調査。首位のGSKは低中所得国における価格設定やライセンス供与、寄付、能力向上などの活動を含む医薬品の提供で優れた実績を収めたことが評価され、トップを維持した。

 

ただ、2位のノバルティスは心血管向け製品を含む分析対象の医薬品全てで低所得国における公平アクセス戦略を適用し、GSKと僅差に迫った。ファイザーは前回10位以下と下位に位置していたが、4位まで急上昇した。

 

5位以下は仏サノフィ、武田、英アストラゼネカ、米メルクとなった。日本企業では武田が唯一トップ10を確保し、アクセス関連の目標を達成するための報酬制度を導入していることが評価された。11位のエーザイは、顧みられない熱帯病の撲滅に対する取り組みや医薬品の寄付で引き続き実績を上げた。

 

アステラス製薬は14位、第一三共は16位と多くの分野で比較的低い実績となっているが、第一三共は低中所得国や低所得国で特許を行使、申請しないと公約しているほか、アステラスは患者が入手しやすい価格で新薬をアクセス可能にする計画を策定している。

 

今回の分析結果からは、貧困諸国での新薬が上市された時点で貧困国がアクセスできるよう、第II相・第III相試験段階で体系的なアクセス計画を策定している企業が8社あることが確認された。18年には1社しかなかったが、一気に急増した。

 

GSKは、評価対象となったプロジェクトのうち80%の候補薬でアクセス計画を策定。第II相試験で良好な結果が得られた段階で全プロジェクトでの計画を策定していた。ファイザーも上市2年前の段階でアクセス計画の策定開始を義務づけていた。

 

一方、上市医薬品で貧困層へのアクセス問題に製薬企業が対応している割合は半数にも達しておらず、癌の注射剤など医療従事者による投与が必要な医薬品で低中所得国に提供されている割合は13%にとどまっている。新型コロナウイルスの研究開発活動が進行した一方、エボラ出血熱、ジカ熱などパンデミックリスクのある病原体に関する開発薬はなく、16の新興感染症のうち10の感染症で開発薬が存在しなかった。

 

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出典:薬事日報

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