医療

大阪北部で共通プロトコル~協議会発足、3月に策定へ

薬+読 編集部からのコメント

大阪大学病院など大阪府北部エリアの各基幹病院と薬剤師会は、医師にその都度問い合わせをせず、事前合意に基づき院外処方箋の変更調剤を可能とする共通プロトコルの策定を目指して協議会を設立しました。3月会合で、地域全体で共通プロトコルを確定させる予定。その後、各病院での承認を経て、段階的に運用が始まる見込みです。同エリア内の病院数は約80で、薬局数は約650。導入が順調に進めば、全国有数の大規模な共通プロトコルになりそうです。

7市3町の病院と薬剤師会

大阪府北部エリアの大阪大学病院など各基幹病院と薬剤師会は、医師にその都度問い合わせを行わなくても、事前の合意に基づき院外処方箋の変更調剤を可能とする共通プロトコルの策定を目指して協議会を設立した。3月に開く会合で、地域全体で共通して使えるプロトコルを確定させる予定。その後、各病院での承認を経て、段階的に運用が始まる見込み。実際にプロトコルを取り入れる施設数は現時点では未定だが、導入が順調に進んだ場合、7市3町にまたがる全国有数の大規模な共通プロトコルになる。


会の名称は豊能・三島地区薬薬連携協議会。豊中、池田、箕面、吹田、高槻、茨木、摂津の7市、豊能、能勢、島本の3町の病院と薬局が共通して活用できるプロトコルの策定を目指して発足した。

 

2日に開かれた1回目の会合には、大阪大学病院、大阪医科大学病院、国立循環器病研究センター病院、済生会茨木病院、各自治体病院など基幹病院10施設の薬剤部長や7市の各薬剤師会の代表者ら約20人が出席。規約の骨格や、吹田市薬剤師会に事務所を置くことについて合意した。協議会の代表は、奥田真弘氏(大阪大学病院薬剤部長、画像)が務める。

 

今後、共通プロトコルの策定に向けて話し合いを進める。既に同エリアでは、阪大病院、市立池田病院、市立吹田市民病院などが個々にプロトコルを策定しており、豊中市では地域の病院と薬剤師会が共通プロトコルの運用を始めている。

 

各病院が運用している項目を網羅すると、成分名が同一の銘柄変更や一包化など約20項目に達する。意見交換の結果、病院によって運用する項目は異なり、同じ項目でも細かい点で違いはあるものの、共通化可能な内容も少なくないことが分かった。こうした現況を踏まえ、次回会合で共通プロトコルを策定したい考えだ。

 

合わせて運用方法の検討も進める。病院と薬局が個別に合意書を交わすのではなく、病院と薬剤師会が合意書を交わして各薬局と合意したことにする運用方法が各地で導入されている。これらの取り組みを参考に、より良い運用方法を構築する。

 

共通プロトコル策定後は、各病院が導入可否を判断する。導入する場合は、必要に応じて院内で承認を得た上で運用を開始する。3月に策定できれば、こうした手順を踏んで今夏頃までにはエリア内の各地で運用が始まると見られる。

 

協議会は、年1回以上開催し、問題点の把握、共通プロトコルや運用方法の改良を進める計画だ。取り組みに賛同する病院には協議会に参加してもらい、運用病院を広げたい考え。同エリア内の病院数は約80で、薬局数は約650に上る。導入が順調に進めば、全国有数の大規模な共通プロトコルになりそうだ。

 

プロトコルを共通化する意義について、代表の奥田氏は「病院が個別にプロトコルを策定することで生じる薬局薬剤師の確認の手間や混乱、非効率を解消したい。プロトコルの推進によって、患者の待ち時間短縮や医師の負担軽減を図り、薬局や病院の薬剤師が問い合わせ削減で生じた時間を本来の専門的な業務に振り向け、薬物療法に深く介入することで、患者が安心して最適な治療を受けられる環境を作りたい」と話している。

 

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出典:薬事日報

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