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妊産婦投与を注意喚起~抗炎症薬の添付文書改訂

薬+読 編集部からのコメント

厚労省は2月25日、バイエル薬品の「アスピリン」など非ステロイド性抗炎症剤55品目について、添付文書の「使用上の注意」を改訂するよう製造販売業者に指示。アスピリンや科研製薬の鎮痛剤「イブプロフェン」(ブルフェン)など55品目については、「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項目に、COX阻害剤を妊婦に使用することで胎児の腎機能低下、尿量減少、それに伴う羊水過少症が確認されていることが記載。新記載疾患に関する直近3年間の国内副作用症例は未報告ですが、海外症例が集積したため、専門家の意見を踏まえて改訂することが適当と判断されました。

厚生労働省は2月25日、バイエル薬品の「アスピリン」(販売名:バイアスピリン)など非ステロイド性抗炎症剤(NSAIDs)55品目について、添付文書の「使用上の注意」を改訂するよう製造販売業者に指示した。

 

アスピリンや科研製薬の鎮痛剤「イブプロフェン」(ブルフェン)など55品目については、「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項目に、COX阻害剤(経口剤、坐剤)を妊婦に使用することで胎児の腎機能低下、尿量減少、それに伴う羊水過少症が確認されていることを記載する。

 

このうち、第一三共の鎮痛剤「ロキソプロフェンナトリウム水和物」(ロキソニン)など32品目に関しては、使用する際は必要最小限とし、適宜羊水の量を確認するよう注意喚起として記す。

 

羊水過少症等への懸念から、米国食品医薬品局(FDA)では、妊娠20~30週の妊婦に対するNSAIDsの処方を限定的にし、必要な場合でも最小限の用量で可能な限り最短期間の処方とするよう注意喚起を行った。この対応を踏まえ、国内でも添付文書改訂の必要性に関する検討を行った結果、胎児の腎臓でCOX-2の発現が報告されたことなどから、全てのNSAIDsの添付文書改訂が妥当と判断した。

 

また、グラクソ・スミスクラインの気管支拡張剤「サルブタモール硫酸塩」(ベネトリン、サルタノールインヘラー)では、「重大な副作用」の項目にショック、アナフィラキシーを追記する。同剤との因果関係が否定できないアナフィラキシー等に関連した国内症例が1件報告されたことを踏まえた対応。

 

キムリアに輸注反応

一方、再生医療等製品であるノバルティスファーマのキメラ抗原受容体T細胞(CAR-T)療法「チサゲンレクルユーセル」(キムリア点滴静注)に関しても、使用上の注意を改めるよう同日に製造販売業者に指示した。

 

具体的には、重大な副作用の項目に、過敏症等が見られるインフュージョンリアクション(輸注反応)、アナフィラキシーが現れることがあるため、患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合は適切な処置を行うことを追記する。

 

新たに記載した疾患に関する直近3年間の国内副作用症例は報告されていないが、海外症例が集積したため、専門家の意見を踏まえて改訂することが適当と判断した。

 

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出典:薬事日報

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