【日薬学術大会】完全ウェブ開催に変更~新型コロナ拡大で決断
日本薬剤師会は、来月19~20日に福岡市で開催される「第54回日薬学術大会」について、新型コロナウイルス感染症の拡大を受け、当初予定していた現地開催とウェブ開催を組み合わせたハイブリッド形式を取りやめ、ウェブ配信のみによる完全ウェブ開催に変更することを決めた。日薬学術大会が完全ウェブ開催となるのは初となる。開催の運営方法など具体的な変更についての詳細は速やかに大会ホームページで公表する予定だ。
開催地となる福岡県では、今月6日に1日の感染者数が過去最多となり、12日には1000人を突破。県からはまん延防止等重点措置から緊急事態措置への適用に変更するよう国に要請も行われている。
県境を越えた移動や人流抑制が呼びかけられているものの、速やかに感染者が減少することが想像し難い状況下で、医療従事者である薬剤師の学術大会が県境を越える形で開催される点、緊急事態措置の適用が会期と重なった場合は、開催会場の使用制限などによる中止も想定される点を考慮した。
ウェブに特化した学会開催の準備を進めるためには、開催日まで残り1カ月となるこの時期が「意思決定を行う上でギリギリの時期」(原口亨福岡県薬剤師会会長)であったため、土壇場で苦渋の決断を下すことになった。
福岡県薬では、昨年10月に札幌市で開催された学術大会と同様、新型コロナウイルス感染症拡大に対応したハイブリッド形式による開催を準備してきた。
原口氏は、「大変残念な思いだ」と吐露。「優先すべきは医療提供体制の確保。全ての医療職種が医療提供体制の確保に対応する中、われわれ薬剤師が現地開催でやりたいといってもそれは難しい」と述べた上で、「コロナを原因に学会を中止にすればいいという話でもない。自己研鑽の場を継続して提供していく意義を考えると、今できる最善の方法が完全ウェブ開催だった」と説明した。
完全ウェブ開催となることで、「機材や資材、オペレーションも変えないといけないので準備はとても大変になる。この1カ月間で進めていかないといけない」と語った。
既に約9500人が事前に参加登録を済ませており、「ウェブから学術大会に参加する方法がメリットとして捉えられるようにしていきたい」と述べた。
出典:薬事日報
薬+読 編集部からのコメント
9月19~20日に福岡市で開催の「第54回日薬学術大会」について、日本薬剤師会は、新型コロナウイルス感染症の拡大を受け、当初予定していた現地開催とウェブ開催を組み合わせたハイブリッド形式を取りやめ、ウェブ配信のみによる完全ウェブ開催に変更することを決定。日薬学術大会が完全ウェブ開催となるのは初となります。ウェブに特化した学会開催準備には、開催日まで残り1カ月となるこの時期が「意思決定を行う上でギリギリの時期」(原口亨福岡県薬剤師会会長)であったため、土壇場で苦渋の決断を下す形となりました。