処方せん

「患者が先発品希望」7割~後発品調剤しない理由

薬+読 編集部からのコメント

2020年度診療報酬改定で後発品調剤体制加算や後発品使用体制加算の要件・評価の見直しなど後発品使用促進を目的とした見直しが行われたのを受けて、厚労省が調査したところによりますと、薬局が後発品を積極的に調剤しない理由について「患者が先発品を希望するから」が約7割に上ることが判明。「後発品メーカーの安定供給に不安があるから」との回答も5割弱ありました。厚労省はこの結果を中央社会保険医療協議会診療報酬改定結果検証部会に提示しました。

薬局が後発品を積極的に調剤しない理由について「患者が先発品を希望するから」が約7割に上ることが厚生労働省の調査で明らかになった。「後発品メーカーの安定供給に不安があるから」との回答も5割弱あった。

 

調査は、2020年度診療報酬改定で後発品調剤体制加算や後発品使用体制加算の要件・評価の見直しなど後発品使用促進を目的とした見直しが行われたのを受け、薬局における一般名処方の記載された処方箋の受付などを調べたもの。厚労省が中央社会保険医療協議会診療報酬改定結果検証部会に示した。

 

薬局調査では、4~6月の後発品調剤割合の平均値は81.3%で前年同時期の79.6%から1.7ポイント増加した。現在の加算対象の下限となる調剤割合75%以上の薬局の割合は72.2%から76.7%に上昇。昨年4~6月、今年の4~6月共に「85%以上~90%未満」が最も多く、それぞれ29.5%、32.3%であった。

 

一般名処方された医薬品の品目数割合は、49.8%で、昨年調査から0.6ポイント減少した。先発医薬品(準先発品)名、後発品名で処方された医薬品であり、かつ「変更不可」となっている医薬品の品目数の割合はそれぞれ、4.7%、0.7%となった。

 

3カ月間の医薬品全品目の合計廃棄額の平均について見ると、20年度は平均10万1737円、21年度は平均8万1390円で、20.0%減少した。後発医薬品の合計廃棄額は20年度の平均1万9023円から21年度は平均1万7819円で、6.3%減少した。後発品の備蓄品目数は平均414.4品目から平均444.3品目に増加した。

 

バイオ後続品の備蓄品目数は、平均で5.5品目で1品目以上の備蓄がある薬局に限ると、平均9.9品目だった。一つの先発医薬品(同一規格)に対する後発医薬品の平均備蓄品目数は、1.3品目であった。

 

後発品をあまり積極的には調剤しない場合の理由として、「患者が先発品を希望するから」が65.7%で最も多く、次いで「後発品メーカーの安定供給に不安があるから」(46.3%)、「近隣医療機関が後発品の使用に消極的であるから」(26.1%)となった。

 

後発品を積極的に調剤していない、調剤しにくい医薬品の種類として回答されたもののうち最も多かったのは「精神神経用剤」(21.4%)であり、次いで「催眠鎮静剤」(17.7%)「抗不安剤」(15.6%)「抗悪性腫瘍剤」(15.2%)となった。

 

小林化工や日医工の不適正な事案を受けて、薬局業務等の関連で行ったことをみると、「該当する同一成分の後発品の入手が困難なため、代替のための後発品の調達を行った」が70.5%で最も多く、次いで「後発品メーカーや卸から供給に関する情報の収集を行った」(69.6%)だった。

 

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出典:薬事日報

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