承認品目のみ対象で了承~不妊治療薬の保険適用
厚生労働省は、15日の中央社会保険医療協議会総会に、不妊治療に用いる医薬品の保険適用について薬事承認を得た品目のみを対象とする検討案を示し、概ね了承された。生殖医療ガイドラインで推奨度Cとされた医薬品は薬事承認の対象とならず保険適応とならない見込みだが、医療機関からの申請があったものについては先進医療Bとして実施することで審議を進める方向だ。
不妊治療の保険適用をめぐっては、昨年の全世代型社会保障改革の方針に基づき、今年度中に詳細を決定し、来年度から保険適用を実施するとされている。自由診療下で助成制度を活用して治療を受けている患者のアクセスを確保する観点から、不妊治療に用いる医薬品の保険適用をどの範囲まで認めるかが焦点となっていた。
総会で厚労省は不妊治療に用いる医薬品のうち、薬事承認を得た品目については来年4月から保険適用とすることを提案した。生殖医療ガイドラインで推奨度A、Bとされる医薬品のうち学会から薬事承認の要望があるものについては、企業からの承認申請を受け、承認が得られれば保険適用の対象となる。
11月の段階で、未承認薬・適応外薬等検討会議で医療上の必要性があると評価された医薬品は14品目あり、今後公知申請の該当性が評価される見通し。それ以外にも企業から承認申請が行われているのが25品目あり、医薬品医療機器総合機構(PMDA)で承認審査が行われている。
一方、ガイドラインで推奨度Cとされる医薬品については、薬事承認の対象とはならず保険適用外となる見込みだが、そのうち医療機関からの申請があったものについては、先進医療Bとして実施することについて審議を進めるとしている。
出典:薬事日報
薬+読 編集部からのコメント
不妊治療の保険適用をめぐり、2021年度中に詳細を決定し、2022年度からの保険適用実施が取り沙汰される中、厚労省は12月15日の中央社会保険医療協議会総会に、不妊治療に用いる医薬品の保険適用について薬事承認を得た品目のみを対象とする検討案を示し、概ね了承されました。生殖医療ガイドラインで推奨度Cとされた医薬品は薬事承認の対象とならず保険適応とならない見込みだが、医療機関からの申請があったものについては先進医療Bとして実施することで審議を進める方向です。