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不妊治療薬を11日に承認~オンデキサは部会で了承【厚生労働省】

薬+読 編集部からのコメント

2022年度からの不妊治療の保険適用開始に伴い、3月11日、厚労省がノーベルファーマの「ルナベル配合錠LD」など10成分12品目を承認。3月9日の薬事・食品衛生審議会医薬品第一部会で了承され、短期間での正式承認となりました。同部会では、バイオジェン・ジャパンの脊髄性筋萎縮症(SMA)治療剤「スピンラザ髄注」(一般名:ヌシネルセンナトリウム)と不妊治療の公知申請品目11件の一部変更承認、製造販売承認1件について報告を受け、製造販売承認が留保されていたアレクシオンファーマの「オンデキサ」に関しては、申請データの信頼性を踏まえ、承認可能とした部会の結論を変更しないことを確認しました。

厚生労働省は11日、2022年度からの不妊治療の保険適用開始に伴い、ノーベルファーマの「ルナベル配合錠LD」など10成分12品目を承認した。9日の薬事・食品衛生審議会医薬品第一部会で了承され、短期間での正式承認となった。

 

9日の部会では、バイオジェン・ジャパンの脊髄性筋萎縮症(SMA)治療剤「スピンラザ髄注」(一般名:ヌシネルセンナトリウム)と不妊治療の公知申請品目11件の一部変更承認、製造販売承認1件について報告を受けた。また、製造販売承認が留保されていたアレクシオンファーマの「オンデキサ」(アンデキサネットアルファ)に関して、申請データの信頼性を踏まえ、承認可能とした部会の結論を変更しないことを確認した。

 

なお、リンパックとスピンラザ、オンデキサは14日時点では承認されていない。報告品目は次の通り。

 

■報告品目

 

スピンラザ髄注12mg(バイオジェン・ジャパン):有効成分のヌシネルセンナトリウムを含有し、臨床所見は発現していないが遺伝子検査により発症が予測されるSMAを効能・効果に追加した。

 

用法・用量は、1回につき所定の用量を投与し、初回投与後、2週、4週、9週に投与し、以降4カ月間隔で投与する。いずれの場合も1~3分かけて髄腔内投与する。

 

再審査期間は、残余の2027年7月2日まで。海外では、SMAの適応で欧米など50以上の国・地域で承認されている。

 

16年11月に希少疾病用医薬品に指定済み。

 

リンパック透析剤TA5(ニプロ):医療用配合剤で、慢性腎不全における透析型人工腎臓の灌流液として使用するが、無糖の透析液では血糖値管理が困難などの要因がある場合に用いる。

 

用法・用量は、A剤を水に溶かして9L(A液)とし、別にB剤を溶かし、11.34Lとする。A液とB液を、A液:B液:水=1:1.26:32.74の比率で希釈・調製する重炭酸型透析液供給装置を用いて血液透析を行う灌流液とする。用量は透析時間により異なるが、灌流液として150~300Lを用いる。

 

再審査期間はなく、海外で承認している国・地域もない。

 

クロミッド錠50mg(富士製薬):有効成分のクロミフェンクエン酸塩を含有し、乏精子症における精子形成の誘導を効能・効果に追加した。

 

用法・用量は、1回50mgを隔日に経口投与する。

 

ル・エストロジェル0.06%(富士製薬):有効成分のエストラジオールを含有し、生殖補助医療における調節卵巣刺激の開始時期の調整、凍結融解胚移植におけるホルモン補充周期を効能・効果に加えた。

 

用法・用量は、生殖補助医療における調節卵巣刺激の開始時期の調整では、1または2プッシュを1日1回、21~28日間、両腕の手首から肩までの広い範囲に塗擦し、投与期間の後半に黄体ホルモン剤を併用投与する。

 

凍結融解胚移植におけるホルモン補充周期に対しては、2~10プッシュを1日1回、両腕の手首から肩、腹部、大腿部、腰部の広い範囲に塗擦し、子宮内膜の十分な肥厚が得られた時点で、黄体ホルモン剤の併用を開始し、妊娠8週まで投与を継続する。

 

ジュリナ錠0.5mg(バイエル薬品):有効成分のエストラジオールを含有し、生殖補助医療における調節卵巣刺激の開始時期の調整、凍結融解胚移植におけるホルモン補充周期を効能・効果に追加した。

 

用法・用量は、生殖補助医療における調節卵巣刺激の開始時期の調整では、1日1回0.5または1.0mgを21~28日間経口投与し、投与期間の後半に黄体ホルモン剤を併用する。

 

凍結融解胚移植におけるホルモン補充周期に対しては、1日0.5~4.5mgを経口投与し、子宮内膜の十分な肥厚が得られた時点で、黄体ホルモン剤の併用を開始し、妊娠8週まで投与を継続する。1回投与量は2.0mgを超えないこととした。

 

ディビゲル1mg(サンファーマ):有効成分のエストラジオールを含有し、生殖補助医療における調節卵巣刺激の開始時期の調整、凍結融解胚移植におけるホルモン補充周期を効能・効果に追加した。

 

用法・用量は、生殖補助医療における調節卵巣刺激の開始時期の調整では、1包を1日1回、21~28日間、左右いずれかの大腿部もしくは下腹部に約400cm2の範囲に塗布し、投与期間の後半に黄体ホルモン剤を併用する。

 

凍結融解胚移植におけるホルモン補充周期には、2~4包を1日2回左右いずれかの大腿部もしくは下腹部に1包当たり約400cm2の範囲に塗布し、子宮内膜の十分な肥厚が得られた時点で黄体ホルモン剤の併用を開始し、妊娠8週まで投与を継続する。

 

エストラーナテープ0.36mg、同0.72mg(久光製薬):有効成分のエストラジオールを含有し、0.36mgと0.72mgに凍結融解胚移植におけるホルモン補充周期を、0.72mgに生殖補助医療における調節卵巣刺激の開始時期の調整を追加した。

 

用法・用量は、凍結融解胚移植におけるホルモン補充周期に対しては、0.72~5.76mgを下腹部、臀部のいずれかに貼付し、2日ごとに貼り替え、子宮内膜の十分な肥厚が得られた時点で、黄体ホルモン剤の併用を開始し、妊娠8週まで投与を継続する。

 

生殖補助医療における調節卵巣刺激の開始時期の調整では、0.72mgを下腹部、臀部のいずれかに貼付し、21~28日間、2日ごとに貼り替え、投与期間の後半に黄体ホルモン剤を併用投与する。

 

ジェミーナ配合錠(ノーベルファーマ):有効成分のエチニルエストラジオール/ノボノルゲストレルを含有し、生殖補助医療における調節卵巣刺激の開始時期の調整を効能・効果に追加した。

 

用法・用量は、1日1錠を毎日一定時刻に、14~28日間連続経口投与する。

 

ルナベル配合錠LD・ULD(ノーベルファーマ):有効成分のエチニルエストラジオール/ノルエチステロンを含有し、生殖補助医療における調節卵巣刺激の開始時期の調整を効能・効果に追加した。

 

用法・用量は、1日1錠を毎日一定時刻に、14~21日間経口投与する。

 

ヤーズフレックス配合錠(バイエル薬品):ドロスピレノン/エチニルエストラジオールベータデクスを含有し、生殖補助医療における調節卵巣刺激の開始時期の調整を効能・効果に追加した。

 

用法・用量は、1日1錠を、14~28日間連続で経口投与する。

 

ヒスロン錠5(協和キリン):有効成分のメドロキシプロゲステロン酢酸エステルを含有し、調節卵巣刺激下における早発排卵の防止を効能・効果に加えた。

 

用法・用量は、月経周期2~5日目より1日10mgを2回に分割経口投与する。患者の状態に応じて、1日5mgまで減量可能。

 

デュファストン錠5mg(マイランEPD):有効成分のジドロゲステロンを含有し、調節卵巣刺激下における早発排卵の防止を効能・効果に追加した。

 

用法・用量は、月経周期2~5日目より1日20mgを1または2回に分割経口投与する。

 

一方、この日の部会では、製造販売承認を留保していたアレクシオンファーマの「オンデキサ静注用200mg」について、承認を了承する結論に変更はないことを確認した。

 

同剤をめぐっては、昨年8月の部会で製造販売承認が了承されたものの、後日に同社が臨床試験におけるデータの取り扱いに問題があった可能性を厚労省に報告。

 

そのため、医薬品医療機器総合機構(PMDA)が申請データの信頼性を評価した結果、「部会における結論を変更する必要はない」と結論づけた。

 

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出典:薬事日報

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